テンペストに着いたその日から、優樹菜は不思議なほどに自然に受け入れられた。
「ユキナ様!こちらへ!」
ゴブリンたちは笑顔で手を振り、ドワーフ達は《嬢ちゃん》と優しく声をかけ、リザードマンさえ、彼女の前では武器を下ろす。
『⋯なんで?』
本人がいちばん戸惑っていた。
特別な魔法を使えるわけでも、圧倒的な力を持っている訳でもない。
ただ、誰かの話を聞き、誰かの隣に座り、誰かの名前を覚えているだけ。
?「それが、すごいことなんです!」
そういったのはシオンだった
シオン「強さだけじゃありません。ユキナ様は”居場所”を作れる 」
優樹菜はその言葉の意味を、まだ完全には理解していなかった。
けれど、夜になると____
自分の周りに集まって寝る子供達や、見守るように立つ大人達を見て、胸が少しだけ温かくなる。
(ここにいていいんだ)
そんな気持ちが、静かに根を張っていった。
コメント
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あはんすごいわね