テラーノベル
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ある日の午後、家事の合間に少し休憩しようとテレビをつけたら、バスケの試合の中継が目に飛び込んできた。
有名な選手達がコートの中を走り回っている。
「カッコいい!」
誰もいない部屋で、思わずテレビの画面に釘付けになる。
自然に、高校時代の龍聖君や碧達を思い出した。
試合中の揺れる髪、ほとばしる汗、みんなのユニフォーム姿。
何だか、すごく懐かしく思えた。
碧……今、どうしてるんだろう?
こっちに来てからなかなか連絡できずにいた碧と急に話がしたくなり、私はスマホに手を伸ばした。
碧の声を聞くのはかなり久しぶりだ。ちょっとドキドキする。
『琴音!!』
反応の速さにびっくりした。
「碧!」
『久しぶりだね。元気だった?』
「元気だよ。碧は?」
『すごく元気だよ』
「良かった。おじさん達も元気かな?」
『うん。最近、色々趣味とか見つけて楽しんでるよ』
「そうなんだ。趣味とかがあると人生にハリが出るよね」
『確かにそうだよね。父さんは陶芸教室、母さんは体操教室とかジムとか行き出したよ。今からダイエット頑張るらしいから』
碧が笑う。
久しぶりの優しい声に心がポカポカする。
「ダイエットなんてすごいよ。私、最近サボり気味だったから、おばさんを見習って頑張らなきゃね」
『大丈夫だよ、ずっとスリムだし。気にしなくても平気だから。そうだ、琴音の方は? おじさんとおばさんは元気?』
「うん、うちも両親は元気だよ。近々、こっちに遊びにきてもらうつもり。そうだ、こちらに来る前にね、涼香姉さんとも色々話せたんだ」
『えっ? そうなんだ。大丈夫だった?』
「すぐに仲直りまではいかないけど……。でもね、みんな思ってることを言い合えたの。だから、ずいぶん前に進んだよ。日本に戻ったら家族4人で旅行に行く約束もしてるんだ」
『それはすごい! かなりの進歩だね』
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