テラーノベル
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しばらく無言で抱きしめあっていると、ぽそりとしょっぴーが話し始める
「こーじ」
「ん?」
「俺、結構重いから」
「んー?例えば?」
「2人の時は毎回、ちゃんとぎゅってして、ちゃんと好きって言ってくれなきゃ、やだから」
「そんなん朝飯前やわ」
「ちゃんと毎日連絡くれなきゃやだし、わがままはいっぱい言うし、できないことも多いし」
「しょっぴーのお世話なんて今に始まったことちゃうし」
「………それはなんかムカつく」
「なんでやの笑 事実やん笑」
「でも、俺は縛られるのは嫌」
「んー、それは、どこまでのこと?」
「嫉妬はいいけど、それで束縛はやめて」
「今までのしょっぴーを変えんでもええよ。でもそこに俺との時間はちゃんと増やして」
「ん、わかった」
「今日は泊まっていってな」
「まだなんもしないぞ」
「わかっとるよ、さすがに」
「じゃあ、いい」
そんなことを言いながらも背中に回った腕が離れる気配はない
「しょっぴー、そろそろご飯食べたない?」
「まだいい」
少し食い気味に返事をして、抱きつく腕の力を強めてくる
「甘えたさんやなぁ。ほな、せめて座らへん?」
「………いいけど」
いいと言いながらも腕の力は強いままで、ちょっと力を入れて体を離して顔を覗き込むと、耳と頬を少し朱に染めて、口を尖らせてそっぽを向く
「ふふ、なんちゅう可愛ええおくちしてんの」
ほっぺに手を添えて正面に向けて、ちゅっと音を鳴らして軽い口付けをする
「んぅっ!…………もう、急に」
「いやや?」
「……………それ、ずるいって」
「じゃあええねんな」
「わっ!」
しょっぴーのお尻の下に腕を回して抱き上げる
「足曲げときや」
驚いてぎゅっと抱きつくしょっぴーにそう言って、ソファに座り、膝の上に向かい合わせの状態にする
「しょっぴー、好きやで」
恥ずかしがって俯くしょっぴーの顔を下から覗き込むと、大きな瞳と目が合う
「目ぇ、閉じて?」
まつ毛が弧を描いて瞼が閉じるのに合わせて、頬に片手を添えてそっとキスをすると、さっきみたいに、しょっぴーの両手がキュッと俺の服を掴むのを感じる
ゆっくりと離れるのと同時に再び目が合うと、すぐに恥ずかしそうに目を伏せて視線を逸らすが、代わりにコツンとおでこを合わせてくる
その可愛さに思わず笑みが零れて頭を撫でる
「ぎゅってするか?」
「……ん」
再び首に腕を絡ませて、密着するように抱きついてくるしょっぴーの背中に手を回し、俺もさらに引き寄せる
「しょっぴー、ぎゅー好きなん?」
「……ん」
「じゃあ、これからもいっぱいぎゅーしよな」
「……2人の時だけ」
「みんなとおる時はあかんのん?」
「……………嫌がるけど」
「なんでなん」
「………溢れちゃうから……すきが……だから……はずかしい」
「かわええなぁ、もう」
「もっかい」
「ん?」
「もっかい、言って?」
「……かわいいしょっぴーが大好きやで?」
「その、ゆっくり話すの、いい」
「んー?今の話し方?」
「ん、ちょっと声低いのも、落ち着く」
「そうか」
返事の代わりにもう一度ぎゅっと力を入れて抱きついてくる
言葉が少なくてツンが多めなのは変わらずだけど、これからは、その振る舞い全てで甘えてくれるのだろう
腕の中にいる愛しい人の可愛さを噛み締める
こんなにも明けてしまうのが惜しい夜は初めてだった
コメント
4件
🧡のカッコいいと💙の可愛いが大渋滞した最高なお話ありがとうごさいます😍 理想過ぎて泣きそうになりました😂

ほへぇ( ◜ω◝ )好きぇー
