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血の池をぴったりの靴で歩く。
古い建物の間にある路地裏。
あそこに、また。
゙アイヅが出てきた。
その゙アイヅは。
人々に取り憑き、呪い殺す霊…
「怨霊」
だ。
(はぁ…あいつら、霊だから脳がないのかしら…)
あたしはアイ。
怨霊を潰し続けてる。
…まぁ、潰す…と言っても、すぐに生き返るんだけど。
この世界は昔あたしがいた場所─────
日本とは全く違う。
怨霊はいる…なんだってありの世界。
まるで誰かに゙創られだかのような。
それに…この世界には異能のようなものがある。
それはいつも目に入れているだろうモノ。
色。
混ぜ合わせれば幾つもツクれる。
ただ…色をツクるのには寿命を半分差し出さなければいけない。
その色が強ければ意味になる。
その色が弱ければ無駄になる。
ギャンブルだ。
色は誰もが持っている。基本の色は10色。
そして色は生まれた時から決められる。
゙ダレガ
によって。
そして色は使える。
回数に制限はない。
「紅」は狂気的に。
「碧」は感情が消え。
「黄」は楽観的に。
「緑」は夢を見るように。
「紫」は嘘つきに。
「桃」は魅惑的に。
「茶」は偽りに。
「黒」は諦めさせ。
「白」は能無しにさせ。
「灰」は独りにさせ。
色は時に強くもなる。
そして時に弱くもなる。
この世は賭けだらけ。
…怨霊は昔は人間だった。
ということは勿論、色を持ち合わせていた。
怨霊は人間だった頃の記憶はない。
自分が何色を持っていたかさえ分からない。
というか、怨霊はこの世界にそういったものがある事すら知らない。
怨霊の時点で色は持っているのか。
そんな考え事をしながらカフェに入ってゆく。
そして、端っこの席に座った。
頼むものを考えている時、こんな声が聞こえてきた。
「ねぇ、路地裏の破壊者って知ってる?」
「あ〜!知ってる知ってる〜!なんだかカッコイイよね!」
(女の子…あたしのこと?)
(噂されているのは少し嫌…と言えば嫌だけど…)
(…それに、バレないようにやってる筈…)
(…まぁ、関係ないか。)
「店員さん、注文いいですか─────」
そう言った直後、また声が聞こえてきた。
「その子の特徴、知ってる?」
「知ってる!金髪蒼眼の女の子でしょ?」
「……え?」
「そうそう!珍しいよね〜!!」
思わず声が出た。
その人達の、少し後に。
(あたしじゃない。)
(それに…)
(その特徴…)
(見たことがある。間近で。)
「お客様。ご注文を。」
店員さんが無表情で言う。
「…あっ、ごめんなさい。天気がいいから思わず空を眺めちゃって。」
「そうなんですね。」
店員さんは無表情に、淡々と応えた。
「…はい」
「あ、注文はアイスコーヒーで。」
「はい。少々お待ちください。」
(あの店員さん、凄い無表情だったな…)
(というか、その子…いつか、あたしも相手することになるかしら。)
(多分、その子は怨霊しか狙わないだろう…)
昔、゙見たことがある゙から分かる。
だからこそ危険だ。
「…先に、その子を消さなきゃかしら…。」
あたしは小声で言った。
店員さんが一瞬こちらを見た気がした。