テラーノベル
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今日も日払いのバイトを終え、満喫へ身体を休めに戻る
シャワーを浴びて気の済むまで眠る
もう体も心も擦り切れそうだ
あれから色々な仕事を経験し、ようやく長期のバイトが見つかった
一カ月仕事をした後、俺に給料が振り込まれることはなかった
騙された
そう思った時にはすでに遅い
自分で持っていたお金も底をつき、俺は途方に暮れていた
その日暮らしにも限界がある
そしてある事が頭を過ぎた
夜の街ではよく声を掛けられる
もういいか‥‥
それで稼げるならそれでも良い
でもせめて1人で体を売るよりも、夜の店で働けないだろうか?
年齢が足りないせいでまともに職にも就けない
俺が頼りなく見えるせいで大人には騙される
お金さえあれば‥‥‥‥
目が覚めると服を着替えて満喫を出る
今まで立ち入らなかった街へと‥‥
すぐに声を掛けられたが急には勇気が出せなかった
でもそんな事は言ってられない
ここ‥‥
ここの店に聞いてみよう
断られたらさっきの店に戻ってもいい
一段と煌びやかな店の前
看板を見上げる俺の肩を誰かが掴んだ
「お兄さん暇?」
「‥‥‥‥!」
驚いて手を振り解く
ニヤニヤと笑みを浮かべて俺を見る中年の男性
「随分若く見えるけど、ここのホストの子?」
「あ、いえ‥‥」
「君さぁ‥‥今晩3万でどう? 」
「3万‥‥?」
え?
今‥‥俺、買われてる?
「いや、俺そう言う事はしてませんけど‥‥」
「5万は?2時間で5万」
「‥‥‥‥」
5万円
その金額に俺は言葉を失った
1日1万も稼げない俺が、2時間で5万‥‥
「ほら、お金困ってるんでしょ?」
「‥‥‥‥」
5万でこのおじさんに体を売るのか
でもお金は欲しい
こんな事で迷っている自分が嫌になる
「もしついて来てくれて俺の話聞いてくれたらさらにお金あげてもいいよ」
「それって‥‥‥‥」
ようやく出した声の小ささに、自分がどれだけ萎縮てるのかを知る
「それって‥‥先にお金貰えんの?」
「警戒してるね。良いよ、先に半分渡しても」
男性は懐から財布を取り出す
覗き見た財布の中身は、今まで見た事がないくらい何枚もお札が入っていた
その中から何枚か抜き出し、俺の前に差し出される
俺は躊躇いながら手を延べた
「うちの店の前で何してーんの?」
「あっ‥‥」
隣に現れた男性に腕を掴まれた
「あれ?なんかめっちゃ若くてカワイ子ちゃんだね。君何歳?」
「え‥‥俺は‥‥18歳です‥‥けど‥‥」
「えぇー?ホントにぃ?」
明らかにホストな男性に腕を掴まれて、俺は咄嗟に嘘を吐く
警察にでも連れて行かれたらどうしよう‥‥
「俺‥‥その‥‥」
「なんでこんなに店の前で集まってんの?」
「あ、お疲れ様です!」
また誰か来た‥‥
なんだか大事になって来てるよな
こんな事ならハッキリと断っておけば良かった
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コメント
2件
え~っと 先が読めない~ だから師匠のは飽きないんだけどね! 続き楽しみにしてる!