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「え?」
それは、一体、どういう……。
「『万能の力』は、聖女の好きな願いをひとつ、国王の好きな願いをひとつ、つまり二人分の願いをかなえる力があるといわれているのだ」
ナレシュが、本に描かれている国王と少女を指でなぞる。
それは、つまり――たったひとつの願いをかなえるだけじゃなくて、ナレシュとわたし、それぞれの願いをかなえてくれるということ?
わたしも、どんな願いでも、なんでも望みがかなうということ?
「うそ……」
突然舞い込んできた話に、わたしは信じられない思いで息を呑む。
わたしは『聖女』としての使命を果たすことにより、この国を救うことだけじゃなく、自分の願いごとをなんでもかなえてもらえるということなんだろうか。
自分が望むこと、なんでも……?
自分も奇跡の恩恵が得られるのだと知って、舞い上がるどころか恐れをなしてしまって、わたしはぐっと押し黙った。
昔、なんでも*************
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