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…約束の時間の三時間前なのに、こんなに心を踊らせている私がいる。アナタもきっとそうだといいな。一ミリ程度の幻想を抱いて、鏡の前で服を決める。そんな所拘ったって、アナタが気づいてくれる訳無い事も分かっているけど。
…ワタシも困惑するくらい、貴方とのお出かけに胸が弾んでいる。貴方は気にも留めてくれないだろうけど、ワタシにとっては服を決めるのに迷うなんて考えられる事じゃなかった。貴方も同じ気持ちだと良いな、そんな事は無いって分かっているけど。
待ち合わせ場所(ショッピングモール)にて
「…おはよう。」
「…おはよ。」
「…どこ行く?」
「……服、とか。」
「…うん。」
気まづいなぁ。きっとアナタもそう思ってる。でも、このままじゃ折角の意味が無い。
「ねぇ」
「え。」
「なんで誘ってきたの、ショッピングモール。」
「……アナタと一緒に来たかったから。」
「………ワタシも、ずっと貴方と喋ってみたかった。」
「……ありがとう。」
……貴方がそんな風に思ってるなんて。きっと、理由なんてないと思ってた。でも、貴方は気まぐれだから。…ずっとこれが続くといいな。
……私が話を振ろうと思ったのに。誘ってきた理由を聞くなんて。でも、アナタがずっと私と喋ってみたかったって、アナタは嘘をつく人じゃないから、きっとそれはアナタの本心。 …どうしよう、冷房が涼しいのに、顔があつい。
1日のハイライト⬇
「あ、ここ私のお気に入りの服屋。 」
「じゃあ入ろっか。」
「……アナタにはこの白のワンピースが似合うんじゃない?」
「…そう?貴方にはこの緑のワンピースが似合うと思うけど。」
「「……じゃあ買おうかな。」」
「「…ふふっw」」
「…このジュース美味しい。」
「えー、じゃあ一口頂戴、一口あげるから。」
「………はい。」
「…ん、マンゴー味美味しいね。」
「私のもはい。」
「………パイン味もおいしいね。」
「でしょー。」
「ワタシここで本買いたいな。」
「じゃあ私も本見ようかな。あんまり買ったことないけど。」
「……あ、これいつもアナタが教室で読んでるやつじゃん。」
「うん。その本はシリーズなんだよ。いつも読んでるのは二作目。」
「へー…私も買って読もうかな。」
「……ちゃんと6作全部見てね。」
「…もちろん!」
「今日は楽しかったね」
「…うん。」
「…また、学校で。」
「……うん。」
ああ、楽しかったな。アナタが話しかけてくれる度、胸が壊れそうになってしまう。
……この日が、ずっと続けばいいのになぁ。
今日は本当に色んな事があったなぁ。貴方が喋りかけてくれて、会話して、一緒に歩いて。
……この一日が、永遠に続けばいいのに。そう思うのは、罪なのかな。
続きます