TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

捨てられた秘密兵器

一覧ページ

「捨てられた秘密兵器」のメインビジュアル

捨てられた秘密兵器

3 - 五人目は、危険な光

♥

49

2026年01月13日

シェアするシェアする
報告する

第3話 五人目は、危険な光


「今日で、メンバーが揃います」

社長のその一言で、

レッスン室の空気が少しだけ張りつめた。


四人での仮活動は、悪くなかった。

でも、どこか“足りない”感覚があったのも事実。


――五人目。

その扉が、静かに開く。

「……こんにちは」

入ってきたのは、

長い黒髪に、透き通るような目。

一瞬で、空気が変わった。


凛(17)視点


正直、鳥肌が立った。

何この子。

まだ十四歳なのに、“完成されすぎてる”。

立ち姿、目線、呼吸の仕方。

アイドルっていうより、もう“ステージの住人”。

「一杏(いあん)です。よろしくお願いします」

その声。

……歌わなくても、“歌う人”だってわかる。

怖い。

でも、目が離せない。


いあん視点


視線が集まるの、慣れてる。

でも、この事務所の空気は、前と違う。

探るような目じゃない。

“受け入れようとする目”。


「じゃあ、さっそく歌ってもらおうか」

マイクを渡される。

心臓は、静かだった。


歌う前って、いつもこう。

頭が真っ白になって、身体だけが前に出る。

音が流れる。

声を出した瞬間、空気が震えた。


紗季(16)視点


……やば。

うまいとか、可愛いとか、そういうレベルじゃない。

“引きずり込まれる”。

感情が、そのまま音になってる。

こんなの、ファンが放っておかない。


同時に、思った。

この子がセンターだな、って。

悔しいけど、納得しちゃうのがもっと悔しい。


いあん視点


歌い終わると、静寂。

……からの、

「決まりだね」

社長が笑った。

「今日から、君もこのグループの一員だ」

胸の奥が、少しだけ熱くなった。

でも――

喜びだけじゃない。

ここは、“復讐の舞台”でもある。


玲奈(18)視点


この子、可愛い顔して、目が冷たい。

優しい笑顔の奥に、何か燃えてる。

普通の新人じゃない。

たぶん、“捨てられた側”。

だからこそ、強い。




「グループ名は――」

ホワイトボードに、大きく書かれた文字。

LUMINA(ルミナ)

“光”を意味する名前。

……皮肉…。

いあんは、光に捨てられて、また光になる。


初めての五人でのダンス。

フォーメーションに入ると、自然と視線が集まる場所がある。

いあんが立つ、そこ。


凛視点

……やっぱり。

視線が、勝手にそこに集まる。

センターの“器”。

怖いけど、この子がいないと、グループが完成しない。


いあん視点


汗が落ちる。

でも、楽しい。

ここは、ちゃんと“戦える場所”。

捨てられたままじゃ、終わらない。

ステージの上で、名前を呼ばせる。

__いあん、って。


その日、LUMINAは、本当の意味で動き出した。

光の中に、闇を抱えたまま。

捨てられた秘密兵器

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

49

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚