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わっふるさん、第12話読みました……! 「手紙が、来なくなったんだよ」ってぽつりとこぼす紺さんの姿、すごく胸にきました。幼馴染の蜜流さんを想う気持ちと、炭治郎たちの優しさを振り切って1人で向かう決意が、リボンや鈴のモチーフと重なって切ないです。15歳で背負うには重すぎる孤独だけど、その分だけ「本物の英雄になる」という覚悟がヒリヒリ伝わってきました。 続き、すごく気になります! 更新楽しみにしています🌷
第12話「孤独の旅路」
「明日、任務へ行くのでしょう? せめて……何があったのか、教えてください……!!」
真っ直ぐに俺の瞳を覗き込んでくる炭治郎の目は、どこまでも澄んでいて不快だった。人の心の一番隠したい部分に、泥足でズカズカと踏み込んでくるような、そんなお節介。
「チッ……。お前には関係ねぇだろ」
俺はフイと視線を逸らし、乱暴に荷物をまとめ直す。
関係ない。言う必要なんてない。だけど、胸の奥で燻り続ける焦りと不安が、炭治郎の「悲しい匂い」に当てられて、どうしても口から漏れ出してしまった。
「……手紙が、来なくなったんだよ」
「え……?」
「幼馴染の、たった一人の友達だ。俺が村を出てから四年間、ずっと手紙をくれてた。心配性で、お節介で、男のくせにリボンなんて贈ってくるような……変な奴だ」
頭の後ろで揺れる、青い藍色の髪に結ばれたリボン。その鈴にそっと触れる。
「そのあいつからの手紙が、パタリと来なくなった。そして今日届いた任務の場所は、俺とあいつの故郷の村だ。子供が次々と消えてるってなぁ……嫌な予感しか聞こえねぇだろ」
言い終えて、俺は炭治郎の横をすり抜けようとした。
けれど、炭治郎は俺の衣服の袖を、ギュッと強い力で掴んで離さなかった。
「紺さん……。なら、俺たちも一緒に行かせてください! そんなに苦しそうな匂いをさせている紺さんを、一人で行かせるわけにはいきません!」
その背後から、善逸や伊之助の騒がしい声が近づいてくるのが聞こえる。
一緒に行けば、この不安も少しは紛れるのかもしれない。けれど――。
「……離せ」
俺は静かに、だけど拒絶の意思を込めて、炭治郎の手をピシャリと振り払った。
「これは、俺の戦いだ。あの村の奴らとも、蜜流とも……俺が1人で決着をつけなきゃ意味がねぇんだよ」
「紺さん……」
「怪我人は大人しく寝てろ。足手まといだ」
冷たく言い放ち、俺は炭治郎たちに背を向けた。振り返ることはしない。振り返れば、彼らの真っ直ぐな優しさに絆されてしまいそうだったから。
翌朝、まだ夜が明けきらない薄暗い街路を、俺はたった1人で駆け抜けていた。
耳を澄ませば、走る風の音だけが響く。あの鬱陶しい奴らの声はない。静かで、冷たくて、ひどくヒリついたいつもの孤独。
けれど、胸の中の炎は今までで一番熱く燃え上がっていた。
四年ぶりに向かう、あの忌々しい故郷の村。
(蜜流……待ってろ。今度こそ、俺が本物の英雄になって、お前を助け出してやる)
髪の後ろで、チリンと小さく、俺の覚悟を証明するように鈴が鳴り響いた。
15歳の蜂須賀紺、大切な友を救うため、たった1人の決戦の地へ――。
第十二話完