テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第13話「誰」
四年ぶりに足を踏み入れた故郷の村は、不気味なほどに静まり返っていた。
かつて俺を「鬼の子」と罵り、理不尽な暴力を振るってきた奴らの気配すらまるでない。ただ、冷たい夜風が通りを吹き抜けていくだけだ。
「チッ……。来てみたけど、何もねぇじゃんか……」
俺は青藍色の刀の柄に手をかけながら、慎重に村の探索を始めた。
蜜流の家はどこだ。消えた子供たちはどこへ行った。焦る心を落ち着かせようと、一歩を踏み出した、その瞬間だった。
―――べぇん。
鼓膜を震わせる、奇妙な琵琶の音。
「な、……っ!?」
突然、足元の地面がぐにゃりと歪んだ。
重力が狂い、上下左右の感覚が吹き飛ぶ。底なしの暗闇へと真っ逆さまに落ちていく感覚。
次に目を開けたとき、俺の目の前に広がっていたのは、村の景色なんかでは到底なかった。
どこまでも複雑に、上下逆さまに組み上げられた、恐ろしく巨大で広い異形の木造建築。
十五歳の俺は、ここが鬼の本拠地である『無限城』だということすら、まだ分かっていなかった。
「んな、なんだよ……!! この床……っ!?」
あまりの異常事態に、さすがの俺も冷や汗が流れる。
刀を抜き、周囲を警戒しようと身構えた――その時。
―――べん、べん。
再び鳴り響く、不気味な琵琶の音。
景色が激しくブレて、俺の体はまた別の開けた空間へと強制的に転送された。
「っ……!!」
床を強く踏み締め、何が来てもいいように青藍色の刃を構える。
だが。
そこにいたのは――。
第十三話完
32
#イラスト部屋
わっふる
116
#鬼滅の刃オリジナル
わっふる
406
#鬼滅の刃オリジナル
わっふる
131
コメント
3件
「誰」ってタイトル、めっちゃ刺さるわ…。村の異様な静けさから一転、琵琶の音と共に無限城に引きずり込まれる流れ、映像が浮かぶみたいに鮮明だった。十五歳でこの展開、心臓に悪いけど最高。最後の「そこにいたのは――」でバッサリ切る感じ、めちゃくちゃ気になる!続きが待ちきれない🔥