「バシャッ」
教室に響く水の音
水の落ちた場所には、淡いピンク色の髪をした人が立っていた
名前を瑞稀。
「……あ、はは」
瑞稀は軽く笑った
「どうしたの?みんな」
瑞稀は弱々しそうに言った
クラスメイトは答えた
「おめぇ、キショいんだよ」
「なんでスカートなんか履いてるわけ?w」
クラスメイトは笑いながら毒のついた言葉を吐いた
「………」
瑞稀は少し黙って、言った
「なに?僕が僕の好きな事しちゃダメなの?」
「それに、僕がスカート履いてるのは今更じゃない?」
その声のトーンは低かった
「別に?wただ、キショいんだよ」
「おめぇは良くてもこっちは無理wキショいもんww」
「てか、今だから、言うんだよw」
クラスメイトはまた笑いながら毒を吐いた
「………そう」
「ガラ」
瑞稀はそう言って、濡れたままクラスを後にした
僕は水に滴らせながらクラスを後にした
水だったからもちろん冷たく、肩を震わした
すると後ろからドアの開く音がした
「待って!瑞稀!!」
「…杏」
杏だった
クラスで1番仲が良かったクラスメイト
「ごめんね、私。何も、できなくて…」
その声は震えていた
いつも堂々としている杏がこんな弱っているのは珍しい
「大丈夫だよ杏!僕は大丈夫だから!!」
僕は嘘を吐いた
「でも……」
杏は心配そうに言った
「ほーら、杏。教室戻んないと、授業始まっちゃうよ?」
「………」
僕の言葉に杏は俯いた
ほんとは僕も出席数をとるために来たけど、あの空気じゃ教室にはいられない
「ほら、杏。行きな?」
僕は杏の背中を押すように言った
「……ごめんね、瑞稀」
杏はその言葉を僕に渡して、去っていった
僕は杏が教室に戻ったのを見て、廊下に視線を戻した
杏が入っていったクラスはガヤガヤとしていた
教室に入ると、ガヤガヤしていた
もう少しで先生が来るのに、ガヤガヤしていた
いつも通りだ
「あっ、あーん!!」
誰かが私を呼んだ
「さっきどこ行ってたの?」
誰かが聞いてきた
「あっ、えっと。」
ここで、瑞稀のとこ、なんて言える訳もなく
「先生来ないか見てたw」
私は笑って嘘をついた
濡れながら学校を出たから、通る人達にジロジロと見られた
気持ちが悪かった
僕は少し早歩きになった
それはだんだんとスピードを増していった
最終的には走っていた
息を切らしながら
疲れていたのに
「バタンッ」
家に着くなり、僕は部屋に戻った
ドアを必要以上に強く閉めてしまった
「…あはは」
「何してんだろ、僕」
「今更、じゃんか、」
僕は電気も付けずに、光のない部屋で静かに
ただ
鏡に映る自分を見ていた
コメント
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プrrrロセカストーリー! ですな 良いね(ჱ̒⸝⸝•̀֊•́⸝⸝)