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読ませていただきました……今回も胸に迫る展開でしたね。 母親として娘の傍にいたいルナリスさんの気持ちと、命を守るための距離の判断——その狭間の苦しさがひしひしと伝わってきました。 「死なせてよ」というヴェルリナの言葉には切なくなりました。 それでも祓魔師たちが諦めずに寄り添い続けているのが希望に思えます。 ただただ、彼女が救われますように……🕯️
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「持ってきたよ……!!」
「良かった…………」
急いでヴェルリナの身体を拘束し、殺害行為を止めようと必死に彼女を取り押さえ、そして布を上から被せ、何とか目眩しに成功。更に十字架を目の前に見せ、彼女の鎮静を図る。
「ああああああ…………ああああああ………、………………………………」
すると彼女はガクッと倒れ、気を失った。
一先ずは犠牲者を出さず、事を鎮められたが……。
「はあ……良かった」
「エリミアさん、それに他の皆んなも大丈夫……?」
「ええ、大丈夫よ」
「取り敢えず負傷者を休養室に運んで応急処置だ、それと彼女は後で厳重に鎖で拘束しておこう」
そうして事態は一旦落ち着き、祓魔師達はそれぞれ負傷者の手当てにあたる。一方でヴェルリナは気を失った状態のまま独房のような幽閉部屋に閉じ込め、殺傷行動を起こさないように監視カメラで厳重警戒で監視を行うようにした。
「ヴェルリナ………また凶暴になってる‥‥一体何時になったらこの子は元に戻るの……?何時まで苦しめば良いの……」
そうルナリスはポツリと溢した。
「大丈夫、まだ途方もないくらい先の話にはなるけど必ず終わりが訪れる日はやって来るわ」
「お願い…………ヴェルリナを救って」
「ええ、そのつもりよ。貴女方一家と娘さんは私達が最後まで責任を持って救うと誓うわ」
ヴェルリナは気性が荒くなり、また他者への攻撃性が高まり、殺傷行動を頻繁に犯す事が増えそれだけではなく自傷行為も目立ったりとかなり荒れ狂っているようだ。
「何時また凶暴的になって我々に対し、襲いかかってくるか分からない。これからは出来るだけ彼女から距離を置いた方が良いだろう」
「え………何で………あの子の傍に居られないの………!!」
ルナリスは母親として娘の傍で寄り添いたい、と距離を置く事に対し、少し抵抗感があるようだ。それはルナリスだけではない、勿論彼女の父親であり夫のグルーダもそう思っている。
「……………………………………」
「ルナリスさん、娘さんの事を何よりも溺愛して大切に想っている、だからこそ離れ難いというその気持ちを持ってるって事は十分承知よ、だけど今のヴェルリナちゃんは気性が荒くて他者に対して無差別的な凶暴性が高くなってる、下手したら殺されてしまう恐れがある以上、傍に居るのは危険よ」
「……………………分かったわ」
苦渋の決断でヴェルリナと距離を置く事にし、離れた場所で監視していく事に。
「辛い事かもしれないけど、これは貴女方の命を守る為の防衛処置よ、それにルナリスさん‥‥貴女は今新たに小さな命をお腹に授かってる、ならその子を守る為にも」
「…………ええ」
娘の事を何よりも溺愛し、深い愛情を注ぐ続けてきた。しかもルビネット一家にとって彼女という存在はやっとの事で恵まれたかけがえのない子宝だった。
だからこそ、近い距離から手放す……そんな手段はそう安易に出来るような事ではない。
「ヴェルリナ…………」
ルナリスは心配な表情で手足を鎖で繋がれ、幽閉されているヴェルリナの様子を少し離れた距離で見ていた。
そして彼女は妊娠中で大きくなってくお腹にそっと手を添え、胎動を感じ取る。
「っ……………………!」
「大丈夫……?」
「ええ」
「もう直出産の頃合いだもんな」
そう言って夫はルナリスの背中を優しく摩った。あっという間にその時が近づいており、臨月に突入し、出産に備えてルナリスは入院する事になった。
「ヴェルリナ……待っててね」
彼女は少し寂しげに娘を見つめ、「ヴェルリナの事、どうかお願いします」
「ええ、娘さんの事は私達に任せて無事にお子さんを産んでまた元気な姿で戻ってきてください」
「ありがとう………」
そんな会話を交わして夫婦は病院へと向かい、その後ろ姿をそっと見守ってエリミア達は二人に手を振って見送り、その引き続きヴェルリナの監視を続けつつ、悪魔祓いも同時進行で進めていく。
しかし、とは言っても今の彼女は凶暴性が非常に高く気性が荒くなってしまっている為、厳重体制を敷いてやっていかなければならない。
まだまだ目の前に抱え込んでいる問題の解決には、膨大な時間の経過が必要のようだ。
「ああ、もう苛々する………何で生きてるんだろ……こんなところに閉じ込められて……苛立ちが止まんない………!!!」
とヴェルリナは不満を吐露する。怒り狂い、湧き上がってくる感情一つに覆われ……更に自責や自己否定感は彼女の心を凄惨な程に荒ませていく。
「私なんて生きる価値ない、死んで早く楽になりたい………死なせてよ」
光などない虚な目、そして彼女の精神状態共に酷く荒んで自傷行為や見境ない他者への無差別的な殺傷、暴力行動が頻繁に剥き出し、まともに聞く耳すら持たなくなるという最悪な現状。悪魔祓いを執行し続け、ヴェルリナに憑依している悪魔を祓い、その恩恵でヴェルリナの状態を正常に取り戻させたいが、今の状態ではあまりに危険性が高い。
「ヴェルリナちゃん‥‥随分と荒れてる‥……性格も凶暴的で、私達がこれまで見てきた彼女とは全くの別人みたいになってる」
「ああ、距離を置く判断を出して正解だった。これまでと変わらない距離感で彼女への対応を続けていたら間違いなく犠牲者が出ていたところだろう、虐殺や暴力行為にまた何時目覚めるか予測が出来ない……暫くはこのままで維持しよう」
「そうだね、それに自殺未遂や自責も目立ってるし今のヴェルリナちゃんに対してあまり刺激を与えない方が最善かもね」
祓魔師達はこれまで経験してきた悪魔事件よりも常に慎重な姿勢のようで厳重警戒は勿論の事……向き合い方も思考を練りながら寄り添い続ける。
そう何せヴェルリナを苦しめている悪魔事件というのは全てにおいて前例のない全てが予測も理解も不可能の事態の連続、故に非常に厄介な事案だ。
「あの夫婦が帰って来るまでの間にこれ以上状態が最悪化しなければ良いんだが……」
「ええ、それだけが最もの懸念点ね、今のヴェルリナちゃんは私達の知らない、まるで別人のようね」
「自傷行為や他者への暴力的で攻撃性も高い、彼女の全身に棲み憑いている悪魔は悪魔祓いによって確実に減って居る筈何なのに、それなのに悪魔憑きの状態は何一つ変わっていない」
「しかも、食人や大量虐殺にまで行動は激化したと聞いてる、虐殺非道で凶暴性も非常に強い……彼女を正常に戻すのは正直言って、困難を極めそうだね 」
別人格に豹変したヴェルリナに戸惑いつつも、祓魔師として完全解決まで責務を果たす為に悪魔祓いの実行を繰り返していく。
「儀式場所は此処で……?」
「ええ、両手足には硬い鎖を繋いでるし、それに此処の部屋自体の構造も刑務所の監獄のような造りに頑丈さが増してる、それに万が一逃亡を図られても窓がないから逃げ道もない、だから大丈夫な筈よ」
「それじゃあ始めるとしよう」
祓魔師達はヴェルリナの両手足に鎖が繋がれて後ろ手に拘束して居る状態で、襲ってくる危険性が少ない事を目視した上で、悪魔祓いの儀式を始める。
シスター達は十字を描くように指を動かし、その他の祓魔師は聖書の詠唱をし始める。
すると空気は一瞬にして変化し、「ああああああああ、あああ」
唸り声を上げながら俯き、そして顔を上げた時彼女は人格を失い、変貌していた。終始、ニンマリと口角が上がり、不気味な微笑を浮かべる。
「ははははは」
儀式用に立てている数本の蝋燭や天井の監視カメラがユラユラと揺れ、それを予兆としたポルターガイストが発生し始めた。
幸い、飛び交う浮遊物の中に直撃しても大した被害は出ない程の物体しかなく、万が一の負傷者は最小限に抑えられる、だから安全だ。
「ああああああ…………ああああああああ、ああああああああっ!」
彼女は魔獣のような鳴き声で威嚇し、バタバタと手足をバタつかせ……更には不気味な音を鳴らしながら全身が奇妙に湾曲し、ブリッジのように海老反りになる瞬間も……。
何より最も不気味なのは、彼女は笑ったままだという事。
「ああああああああ…………」
悪魔憑きの事象による彼女の不気味な挙動は常識を凌駕し、地球上に存在する法則すらも通用しない、悍ましいものだ。
「きゃあああああー!!! 」
と今度は奇声を上げ、彼女の身体は悪魔によって完全に支配され……とても人間とは言い難い……そんな風貌へ変わった。「悪魔よ、その少女から引き剥がれろ……!神の名の元に地獄へ戻り給え!」
「ああああああああああ………ああああっ!」
「ヴェルリナちゃん…………」
ヴェルリナは白眼で上を向いたそのままの姿勢の状況で不気味な奇声を上げ祓魔師達を威嚇する。そして自傷行為をしようにも、手足は拘束されている為それは叶わない。
「ああああああ………ああああああ…………ああああ、黙れ……聞きたくない」
「…………………はははは、はははは」
不意に微笑を溢す彼女の顔は酷く真っ青で正気すら感じられない程に穢れており目付きも、何もかもが彼女ではない。
「…………………………………………」