テラーノベル
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参加者は近くの施設に移動させられる。そこは屋内で体育やスポーツを行うための施設で、外観も内観もかつての学舎の体育館そのものだ。
「皆さんには今からミニゲームを行ってもらいます。一日目の競技種目はドミノ倒しです」
バールバラが言った。
「ペアどうしのふたりひと組、計五チームで並べたドミノの枚数を競います。一位だったペアにはひとり一万円ずつを差し上げます」
「たったの一万円? ケチくさくない?」
瑞麻が言葉を返す。現在二十三歳の彼女も日常では一万円を少額扱いしないだろう。最初に三億円を提示され、最高額が六億円な分、金銭感覚が麻痺している。
「ミニゲームでの賞金の額が多くても、一週間の間はミニゲームで稼げばいいと、皆さんのレムリア・ゲームにたいする意識がたるむので。きちんと考えられたうえでの額です」
ここで一万円をもらえれば、もっともらえるようにがんばろうと、一週間後に向けて意欲が増すだろう。
「一万円でもうれしい! がんばるぞー!」
月呼は握りこぶしを作り、天に向かって腕をあげ、張り切った。
「二十枚ずつ色違いで並べようっと」
制限時間は一時間。ゲームが開始されると、月呼はせっせとドミノを並べる。侑加は黒色のドミノのみで並べていた。
「だるーい」
ミニゲームにはなからやる気のない人間もいる。くるるは一万円という賞金に興味がないようだ。もはや暇つぶしとしてドミノをたまに並べている。野利彦はまじめに並べているが、くるるを注意したりしない。ふたりの上下関係はくるるの方が上のようだ。
月呼は侑加とコミュニケーションを取りながら並べていく。協力して優勝を目指すことでパートナーとの仲間意識は強くなるだろう。運営が一日のスケジュールにミニゲームを挟んでいるのはそういう意図もありそうだ。
「あっ」
制限時間が残り一分という時だった。月呼は並べたドミノの一枚をうっかり倒してしまう。ストッパーをつけ忘れたこともあり、ドミノはどんどんと倒れていく。
「ああ……」
「終了です」
結局、慶迅と依榛のペアが優勝する。月呼たちは最下位となった。ドミノを倒していなければ一位だった可能性もあっただろう。賞金が入った封筒が渡された慶迅たちは笑顔でいる。
「ごめんね。私が足を引っぱっちゃったね」
「別にいいよ」
侑加はけろっとしている。月呼は詫びとして後でなにかしておこう、と思った。
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コメント
1件
読み終えました!第13話、ミニゲームがドミノ倒しでほっこりしたけど、最後の月呼のうっかり倒しが切なかったなあ。一万円の賞金設定、運営の心理戦が効いてる感じが好きです。月呼が侑加に謝るところ、侑加の「別にいいよ」が逆に優しくて、これからどういう関係になるのか気になります。