テラーノベル
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ミニゲームを終えて、参加者は洋館へと戻る。夕食の時間まで自由時間らしい。
月呼も侑加と歩く。敷地内には清涼飲料水の自動販売機が設置されていた。
「喉がかわいたからなにか飲もうかなあ――って、私、お金を持っていなかったんだ」
ふと、月呼はあることに気がつく。
「ちょっと、侑加くん! あなたの身長、自販機と同じ高さじゃない!」
その事実にびっくりとなった。侑加は目の前の自動販売機を見ながら「え? ああ」とだけ言う。
「身長は何センチメートル?」
「百八十三センチメートル」
「じゃあ、自販機ってそのくらいの高さなのか」
家族に百七十センチメートルをこえた者がいない月呼としては、自動販売機と高さが同じ人間がいるということが信じられなかった。世の中には二百メートルをこえた身長の人がいるのもわかっているのだけれども。
「すごい! 押し放題!」
その自動販売機は全品無料のようで、ボタンを押すだけで飲料が出てきた。月呼のような庶民からすると夢のような自動販売機だ。ゲーム感覚で色んなボタンを押してみる。
「全部飲める?」
侑加にたずねられ、ぎくりとなった。
「く、くるるちゃんにもあげようっと」
「くるるちゃんってだれだっけ?」
「昼食の時に、私のとなりにいた子。『あたしだってかわいいだろーが』って言っていた子だよ」
「ああ」
侑加は納得した。妙なシーンを切り取って、くるるに申し訳なく思う。
「話してみると感じのいい子だったよ。価値観が私と似ているんだ」
「どう似ているの?」
「人を騙してまで大金を得たくないんだって。だから、三億円をもらえたらそれでいいみたい。私もこのゲームに関してはそう思っているの。くるるちゃんのその考えにうそはないと思うな。彼女は信用に値する人間だと、私は感じているね」
月呼は自動販売機の商品を上段から順にひとつひとつ見てみる。下段の右端にある商品を見て、思わず「あっ」という声を出す。
「このスポーツドリンク! 昔から好きだった!」
月呼はその商品のボタンをためらいなく押す。トレジャードリンクという名のその商品は、日本のスポーツドリンクの先駆けでもある。
「これも飲もうっと。私の家族はみんなこのスポーツドリンクが好きなの」
特に、スポーツをしている弟たちにとって欠かせない飲み物となっており、石上家の冷蔵庫にはトレジャードリンクが常備されていた。
「風邪をひいた時はこれを飲むと早く体調が回復する気がするの」
「ふーん……」
侑加はうれしそうに飲料をかかえる月呼を横目で見ていた。
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コメント
1件
**第14話、読了したわ!** ミニゲーム後の自由時間、っていう緩いシーンだけど、月呼の「押し放題!」ってはしゃぐ姿がめっちゃ可愛かった。あと、自動販売機と身長同じって侑加の高さを再認識させられるエピソードで笑ったわ。 くるるちゃんの話も出てきて、月呼が"信用できる"って言ったのが印象的。彼女の人間を見る目の確かさとか、自分の価値観をちゃんと持ってるところ、好きだな。そしてトレジャードリンク…伏線っぽくない? 今後何かに使われそうでちょっと気になる! 和やかな日常パートの中にキャラの深掘りが入ってて、次も楽しみ!