練習後、二人で個室の居酒屋へ入った。
ビールを頼んで乾杯をする。
しばらく仕事の話をしていたが、プライベートなことへと話題が移って来たタイミングで、俺はとうとう佐久間にことの経緯を説明して意見を求めた。
🩷「は?お前、最低じゃん」
💛「わかってる」
🩷「わかってるなら、どっちか選べよ」
💛「だからふっかでいいって」
🩷「ふっかでいいって何だよ。深澤がいい、の間違いだろ」
俺は佐久間にメニューで頭をはたかれた。
しっかりしろ、と当たり前の叱責が続く。
それでも心優しい佐久間は、最後に俺を気遣うような言葉を付け足した。
🩷「俺が翔太と話そうか?」
そこまで言われて初めて、俺はやっと誰かに背中を押してもらいたかったんだと気づいた。
💛「いや、自分で話す。ごめん」
疎遠になる選択権は俺にあるはずなのに、いつのまにかその権利を翔太に奪われているかのようなこの状況に、俺自身が納得がいかないのだと今さら気づいた。
俺は俺の下らないプライドを満たすために、翔太と話すことにした。
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