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『はぁ、はあっ。あの、灯鞠って帰ってきてますか。 』
『え、絃歌くんじゃん!!久しぶり。灯鞠?さっき帰ってきたけど。 』
耳を澄ませて1階の声を聞いていると、絃歌の息が荒れているように聞こえる。
走ってきたのだろうか。
『ひまりぃ!!絃歌くん来てるよー!!!』
1階から大きな声で姉が名前を呼ぶ。
今降りてしまうと泣いていたのがバレてしまうじゃないか!!
『ひーまーりぃ!早くーーーー!!!』
「あー、もう!うるさいなぁ。」
1階へ降りると今にも泣きそうな絃歌が居た。
「あ、やっと来た。じゃ、あとは二人で話なね。」
姉は呆れたようにこの場を後にした。
「…で、どうしたの。絃歌」
「…さっき、灯鞠が泣くのが見えたから。追いかけてきた。」
絃歌が不安そうな、泣きそうな目で俺を見る。
「絃歌はさ、俺がなんで泣いたのか。分かる?」
首を傾げた絃歌は、いつも見せないような顔をしていて、咄嗟にときめいた。
「絃歌、好きだよ。」