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あぁ、、、。なんて良い小説なんでしょうか、、、。 性癖に刺さりまくっていますわ、、、。ありがとうございます。
玄関の扉の鍵が開く音で目が覚める。歯を磨くために洗面所へと向かう。いつからだろうか。この家から出られなくなったのは。これはいわゆる依存症というものなのか。部屋には配信のためだけのCPとシングルベット。壁紙は曇り空のようなグレー色。筋トレ器具と配信衣装がクローゼットにある。必要最低限のものしかないのは俺の性格を表しているようだった。
今日は誰が始めに来るのだろうか。最近は…凪ちゃんかな。家も徒歩15分くらいだからね。誰か早 く来ないかな。待ち遠しくって爪弄りをしていると、こんこんこんと3回軽いドアノックが聞こえた。リズム良く軽やかな音。この音的に雲雀かな。そう思った予想は当たっていた。優しい小声で「おはよ!セラお」と言う雲雀に笑い返すと、にっと微笑んだ。それが嬉しくて体を起こして足をぱたぱたと揺らす。
「今日の朝ご飯は…フレンチトースト!」
「…!」
雲雀は毎回美味しい朝ご飯をわざわざつくってきてくれる。それが俺の1日の始まりになる。タッパーにこれでもかと詰め込まれた朝食を頬張りあっという間に完食する。
「良い食いっぷりだな!」
大きな手でわしゃわしゃと俺の頭を撫でるとそのまま「またな!」とだけ残して帰ってしまった。 待って。行かないで。そんな気持ちが伝わる訳がない。目のやり場を開いたままの状態のクローゼットに移す。急いで着替え、筋トレを始める。関節が音をたてても、食いしばった歯から血が流れても止めなかった。止めたくなかった。褒めて欲しかったから。認めて欲しかったから。筋トレに依存しているのは分かっていて、それでもつい、欲が勝ってしまって。きっとこれは、俺の悪い癖なんだろうな。
「…セラ。落ち着いて。」
いつもより1トーン低い奏斗の声ではっとする。俺…またやっちゃった。また怒られる。また見離される。焦ったのが悪かった。口走ってしまった。
「ごめん…!ごめん奏斗…」
「…。」
地雷を踏んでしまった。奏斗にとって「ごめん」は煽られているようなこと。軽く言えばまだ大丈夫だったものを重たくした。…俺の自業自得。あは、笑える。結局これだ。前もそうだった。任務で俺が誤って人を殺したとき。いくら敵とは言ってもやり過ぎて、俺と奏斗の関係が悪くなったんだったっけ。雲雀が仲裁に入っていなかったら今頃どうなっていたことか。俺って本当に、
「「最ッ低w」」