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なんだか、「カルテの余白に、春が咲いたら」がなんとなんと、「#佐野勇斗の人気ランキング」の8位に入っているそうです。(報告)
そして、別で書いている物語の「Riar in the Rein」も「#佐野勇斗、#吉田仁人の人気ランキング」に載っているそうで…!(驚き)
皆様読んでいただきありがとうございます!
やる気がみちみちておりますので、これからもどうぞ気軽に来てくださいね!
そして素敵なリクエストをありがとうございます✨️
「それじゃ、カンファレンス行ってくるから。太智、留守番よろしくな」
「はーい、いってらっしゃ〜い」
ナースステーションを出ていく勇斗、仁人、柔太朗、舜太の4人の背中を見送り、塩崎太智はパチンとひとつ、大きな拍手をした。
「……よしっ、やりますか」
ふんわりした笑顔が一瞬で消え、太智の瞳にスッとプロのスイッチが入る。
目の前に広がるのは、まさに戦場。
デスクには山積みの未処理カルテ。
モニターには処置待ちの通知。
棚には内科・外科・整形へ手分けして届けるはずの重要書類や紹介状がズラリと並んでいる。
普通なら大人数で分担し、1時間はかかりきる量だ。
「まずは優先順位……」
太智は頭の中で瞬時にマルチタスクの最短ルートを組み立てる。
カチカチカチ、と激しいマウスのクリック音と、キーボードを叩くブラインドタッチの音がステーション内に心地よく響き渡った。
まずは端末に向かい、定期処置のオーダーを一気にスクリーニング。
「このカルテはバイタル確認後……よし、こっちの処置は事前準備だけでいける」
迷いのない指先が画面を次々と滑り、複雑な処置指示を怒涛の勢いで処理していく。
その時、ピコンと重度部屋からのナースコールが鳴った。
「はい、塩崎です!」
『あ、塩崎さん……ちょっと体勢変えたくて……』
「すぐ行きますね!」
インカムを装着し、インシデントのリスクを頭で計算しながら病室へダッシュ。
患者に負担をかけない完璧な体位変換をサッとこなし、爽やかな笑顔で安心させ、数十秒でステーションに帰還。
そのまま止まることなく、今度は両手いっぱいに紹介状と検体用スリーブを抱える。
「ついでに全部配給してくるか」
エレベーターを待つ時間すら惜しい太智は、階段を軽く駆け上がった。
びび
1,528
#山中柔太朗
Freesia
6,081
透過
2,689
#ご本人様には関係❌
「内科さん、これ今日の紹介状です!あ、ついでにそっちの検体も回収しときますね〜!」
「外科さん、これ急ぎのデータ追記しておきました!」
各科の看護師たちが「えっ、もうできたの!?」と驚く間もなく、太智は風のように去っていく。無駄な動きが1ミリもない、まさに流れるような一人総力戦。
ステーションに戻ると、残るは最後のカルテ入力。
「よし、あと5分……!」
タイピングの音がさらに加速する。
キーボードを叩く指の動きはもはや残像である。
最後の一行を入力し終わり、エンターキーを『パンッ』と軽快に叩いた瞬間、壁の時計はちょうど40分を指していた。
「……よしっ! 完璧!」
嵐のような集中力から解放され、太智は椅子の背もたれにドサッと体重を預けた。
「ふぅ……お腹減った……時間余っちゃったな」
緊張が解けると、一気にいつもの「のんびり太智」に逆戻り。
引き出しからこっそり取り出したのは、お気に入りのクッキー。
カチャカチャと優雅に紅茶を淹れ、ひとりティータイムを決め込んでいたその時、カンファレンスを終えた4人が賑やかに戻ってきた。
「ただいまー……って、え? 太ちゃん、クッキー食べてる!ずるい!」
「舜太、静かに。……ってか太智、お前優雅に茶しばいてる場合か? 仕事ちゃんと進んでんの?」
クッキーを頬張る太智を見て、舜太とうらやましそうにする柔太朗、そして呆れ顔の勇斗と仁人。
「太智、サボってないでちょっとは手伝いなさいよ。紹介状とか山ほどあったでしょ」
仁人にそう言われた太智は、カップをコトンと置いて、ふにゃりと柔らかく笑った。
「まあまあ、佐野さんも吉田さんも。そんなカリカリしないで、ゆっくり生きて行きましょうよ〜」
「なんだよそれ! 達観しすぎだろ!」
「俺ちょっと売店行って甘いもん買うてくるわ〜」
そう言って、のんのんとマイペースにナースステーションを出ていく太智。
残された4人は「まったくあいつは……」と苦笑いしながら、それぞれのデスクに着いた。
……そして、数秒後。
「……あれ?」
最初に声をあげたのは柔太朗だった。
「どうした、柔太朗」
「……俺がやろうと思ってた未処理のカルテ、全部入力終わってるんだけど…」
「は? マジで? ……ちょっと待って、こっちの定期処置のチェックも全部終わってるんだけど……」
勇斗が画面を二度見する。舜太も慌てて書類の棚をガサゴソと探した。
「えっ、内科に渡すはずだった紹介状が無い! 俺、届けに行こうと思ってたのに!」
「嘘だぁ……。ちょ、仁人、内科に確認電話してみて」
焦った仁人が受話器を取り、内科のステーションへ電話をかける。
「……あ、もしもし?お忙しい所すいません、総合診療科の吉田なんですけども…。あの、この1時間の間に、内科へ招待状って届いていますでしょうか…?」
3人は固唾をのんで見守る。
仁人が受話器を置くと、勇斗がおそるおそる聞く。
「どうだって?」
「……届いてた」
「……検体まで持ってったのかよあいつ……」
ナースステーションに静寂が訪れる。
皆が思っていることは1つ。
たった一人で、あの短時間で、これ全部終わらせたのは幻か否か。
なにか悪い夢でも見てるのではないか。
しかも、それを自慢するでもなく、「サボってない?」と聞かれても「まあまあ、ゆっくり生きて行きましょうよ」と笑って受け流していた。
「……あいつ、格好よすぎるだろ……!」
勇斗がポツリと呟く。
「本当だね。俺なら『全部やったのに!』って絶対威張ってる」
柔太朗が深く感心したように息を吐き、舜太も大きく頷いた。
「よし」
勇斗が腕を組んで、ニッと笑った。
「太智が売店から帰ってきたら、全員で思いっきり拝んで、思いっきり労ってやろうぜ」
「異議なし!」
「ほんっと、毎回思うんだけどさ、太智ってなんで日常であのスピードで仕事しないんだろ…」
何も知らない太智が売店から戻ってきた時、待っているのは4人からの大喝采と、とびっきりの愛されタイムだった。
コメント
3件
今回もとっても素敵なお話しです✨️ リクエスト書いて頂いてありがとうございます😊 やっぱだいちゃんかっこいいです解釈一致すぎるくらいです😭 あんなに溜まった仕事をこなして時間が余るってどんだけ早業なんでしょうかそれにこんだけ仕事したぞとか言わずただ ひとり ティーパーティーしてて ゆっくり行きよう やとかいている だいちゃん がとてもとても可愛いしかっこいいですそれと最後のとびっきり愛されタイム番外編で見てみたいですだいちゃんが可愛がられ愛されているととてもとても私が喜ぶので私欲まみれですみませんでもやっぱり貴方が書いてくださるだいちゃんやMILKのお話しとても好きすぎて次の投稿が待ち遠しいです。 あとリクエストいいでしょうか? しゅんちゃんが大怪我してメンバー全員に甘々に過保護にされているお話しを書いて頂けませんか? 長々とすみませんね。 体調不良にわ気おつけてくださいね。 次の投稿楽しみにしています😊
おお、第32話読了!まずはランキング入りおめでとうございます、Freesiaさん!「カルテの余白に、春が咲いたら」8位、「Riar in the Rein」もランクインって凄いですね。 そして今回の本編…もうね、太智くんの神業が眩しすぎました。あの忙しさの中で一人であれだけの仕事を40分で片付けちゃう描き方が鮮やかで、特に階段使って各科に書類を配るシーンが脳内で映像として浮かびました。スイッチ入った時の瞳の変化が秀逸です。しかも自慢せず「ゆっくり生きていきましょうよ」って流しちゃうところが彼らしくて好きだなあ。 最後は4人から全力で労われる愛されタイム…微笑ましすぎます。太智の内面と同僚たちの関係性の温かさが今回も詰まってましたね。