何も違う僕ら
『‥‥おい、クソ人間聞け、、ッ‥‥今すぐ悪魔との契約をやめろ‥、、捨てられるッ‥‥』
誰かが俺にそう言った気がした。
その人物は誰なのかは今はもう分からない。
だがその人の言う通りにしても良いような気がした。
高いビルから下を見下ろしながら、俺は独り言のように
「悪魔くん。」
『ナンだ?』
「契約‥やめたい。」
『‥‥何故ダ?御前ハ今マデ、契約二なんのフマンもなカッタ。』
「‥‥僕さ。憧れの人がいたんだけどなんだかその人の事思い出せなくてさ。」
「お前と契約解除したらなんだかその人のためになるような気がしたんだよね。」
『‥‥なんダソレ‥』
悪魔は怒ると思ったがクスッと笑って優しく肩を叩いてくれた。
『まぁイイぞ、人間‥‥契約を解除シヨウ。』
悪魔は自分の指を切り血を出す。
『飲メ。』
「契約したときと同じ方法?」
『不満カ?』
「良いや?」
『ワカッテルと思うけど契約ヲ解除したら、お前ハ、人間にナッて‥タブン俺ガ見えなくナル。』
「多分‥?」
『契約するのハ初めてジャナイが、途中で切られるノは初めてだからナ。』
「そっか。」
目を瞑り、血を飲む。‥と別に何かあるわけでもないが、さっきまでいた悪魔くんがいなくなってしまった。
いや、見えなくなった。と言うのが正解だろうか?
なんだか人を解放するのもきりがない様な気がした。
「‥‥僕が今までした行為って‥‥もしかして犯罪‥、、?」
認めるのは嫌だった。
だって僕は正義のつもりでやっていた事だったのにそれが他の人には悪にしかないならないなんてそんなの嫌だ。
気分が悪くなり、夜まで寝ていた。
寝すぎて深夜に起きてしまい、外に出る。
寒くて、凍えてしまいそうなそんな夜
僕はこんな夜に見覚えがあった。
儚く散ってしまう地面中に広がる綺麗で黒赤い花びら。
今はもうなくなっている。
そんな時に見た、深呼吸をしながらゆっくり歩く少年。とても可哀想で今にでも倒れそう
な少年。解放してあげたい。そう思って、俺は少年に近付いた。
『初めまし』
「お前だな。」
遮るように少年はそう言った。
なんのことだろうか?
少年は冷たい目をしてる。
「鬼灯を‥‥イーターを‥、、」
誰のことを言っているのだろう?
鬼灯と言う名前には何処か見覚えがあるような気がするが、何かを忘れてる。
俺はそんな事も気にせず、ナイフを振り上げると少年は俺に向かって、煙幕をぶつけた。
俺は驚いて状況を理解せずに居ると、銀のナイフで少年は俺の胸を刺した。
胸が痛い。
一突きだった。死は明らかだ。
俺は倒れ込んだ。
涙がポロポロ出た。
『‥‥死にたくない‥死にたくないよ。。』
力なく、呟くと、煙幕の奥から冷たい目で少年はこちらを見て
心理学の本と、ドイツ語の本を懐から取り出して
「verdammter Clown.(クソピエロ)」
「Stirb schnell.(さっさと死ね。)」
いつの間にか涙を流していた少年が俺に向かって何かを言った。
俺はその言葉を最期に聞き、意識を失った。
BADEND『ピエロへの鎮魂曲』
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!