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次に行った場所は、国語準備室。
おそらく、この場所がなかったら私と先生はこんなにも親しくなんてなれてなかった。
大切な場所。
「あ、国語準備室だけど」
『はい』
「俺の場所になったんだよ。」
『えっ?』
「管理者。俺になったの」
『じゃあ先生は、ここに毎日いるの⋯』
なんて考えてしまったら、気持ち悪いと思われてしまうのだろうか。
それでも、好きな人のことをそーやって思うのは別にいいだろう。
「ここに座って⋯」
って先生が一つ一つ説明してくれる。
この教室にはきっと、沢山の女の子が出入りしているんだろう。
沢山の女の子と話して、座って。
なんて、考えなくてもいいことを考えてしまう。嫌だ。
「どうした?」
『ううん、笑』
『移動しましょ。』
「だな」
私は、なぜか辛い気持ちになってしまう国語準備室から早く出たかった。
今、すごい幸せなのに。
次に向かったのは、教室。
先生の生徒になれた最高の時間。
「お前はあそこだったよな。」
『え?』
先生は窓側の1番前の席を指さした。
「ほら、最後の席。」
『あーそうだったのかも⋯』
私ですら、忘れてしまっている席のことを先生は覚えてくれていた。
この出来事のお陰で、さっきの辛い気持ちは平然と無くなっていた。
『ねぇ先生。』
「ん?」
『授業してよ。』
「えー?」
『先生の授業、久しぶりに受けたいです』
「なんだよそれ 笑」
きっと、こー言ってしまった私の気持ちの中には、懐かしさを取り戻したい。
こんな気持ちも混じっていたんだろう。
「俺が読んで最高って思えた本、わかる?」
『⋯えーなんだろう。』
「じゃあ、その本を読んであげる。」
『読み聞かせになってるじゃん 笑』
「いーだろ?〇〇だけの特別。」
『⋯はい 笑』
きっと、私は───
特別 に弱いんだろう。
「タイトルは───瞳。───」
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