「……………」
周りを見渡す。
辺りは地溜まりができてて、沢山の死体がある。
…任務は完了した、けど…
………限界かな…
いっそのこと、このまま…
「…酷いな、これ…」
「…そう、だね…」
凸さんの言葉に半ば上の空とした声で私、ななっし〜は呟いた。
「一人の殺し屋が任務終えたからって、後処理で来たけど…中々めんどくさそう。」
べるさんは驚いた声でそう言った。
…あれ?あの人…
私は一人の少年に近づく。
「ちょ、ななっし〜!?」
凸さんが私を呼び止めようとするけど、気にせず私はそばに駆け寄った。
「…!この人、息ある…」
「え、まじ!?」
「もしかしてこの人が殺し屋!?」
「とにかく、急いでこの人を連れて帰らなきゃ…」
…ここは?
俺は全身の痛みを感じながら起き上がる。
「…あ、えっと、大丈夫?」
ピンク髪の少女が俺に話しかけた。
「…全身が痛い。」
「そ、そっか、えっと…」
…俺たちの間に沈黙が流れた。
気まずい、どうしよ…
そう思っていると、部屋の扉が勢いよく開かれた。
バキッと扉が壊れる音がした。
「ななっし〜!あの子起きた!?」
「ちょっと凸さん!?扉壊さないでっていつも言ってるじゃないですか!」
「ご、ごめんしぇいどさん、けど心配で!」
「うう…またお金出して扉直さないといけないのだ…」
「ほんとごめんなさい…」
「…ご、ごめんね…いつもこの人たち騒がしくて…」
「あはは…」
俺は少女の言葉に苦笑いを浮かべた。
「気を取り直して…俺の名前は凸もり!凸さんって気軽に読んでいいよ!」
「私の名前はしぇいどです。よろしくお願いします。」
「私はべる!よろしくね!」
「ニグと申します。よろしくお願いします。」
「僕はうたい。よろしく。」
「あふぇりるです。よろしくお願いします」
「おどみんのリーダー、おどろくなのだ!よろしくなのだ〜」
「ほら、ななっし〜も!」
凸さんにそう言われた少女は、目線を下にして話し始めた。
「…な、ななっし〜、です…よ、よろしく、ね…」
「…あーえっとごめん、ななっし〜は人見知りが激しくて…」
人見知り…?
違う、俺と同じで、何か…
「…それで、君の名前は?」
「…さぁーもん、これは殺し屋としての名前だけど」
「そっか…それでさもさん、突然だけどおどみんに入る気はない?」
「は?」
俺は思わず声が出た。
「さもさん強そうだし、入ってくれたらいいな〜っておどろくが言ったのだ!」
「…それにさ、さもさん怪我してるじゃん、だから面倒見たいし、一人だと色々大変だろ?任務とかも…」
「…まあ」
「…あれ、そういえばさもさんって何歳?なんか幼く見えるんだけど…」
「…13」
『え!?』
皆が驚いた。
「ななっし〜と同い年!?」
「まじで?もうちょい年上だと思ってた…」
「…あの」
俺が声をかけると、皆が声を止めて俺を見る。
「…正直色々限界だったから、入ろうかな…おどみん」
どうでもよくなってたし…
「…おどみんに新メンバーなのだ!やったなのだ!」
「どうする?お祝いでもする?」
「待ってください、さもさんは怪我もしてて疲れてるんです。お祝いは落ち着いてからにしましょう。」
「あそっか…あじゃあさ、ななっし〜さもさんと何か話してなよ。」
「え」
「確かに、年同じですしね。」
「それじゃ、俺たち下降りとくから、なんかあったら言ってー」
「えちょ、ちょっと」
ななっし〜の言葉を聞かず、皆は部屋を出ていった。
「…あ、え…っと」
「…別に、何か話したいとも思わないけど…」
「え」
「…寝ていい?」
「ま、待って…」
「?」
「…心細いから…何か話したい…」
ななっし〜は目に涙を浮かべながら言った。
俺はななっし〜のことを抱きしめた。
「…え」
俺は人を信用してなかった、だから人生を諦めてしまった今、全てがどうでも良くなっておどみんに入ったのに…
ななっし〜は安心できる、ななっし〜はどこか俺と同じだから…
「…ななっし〜って、趣味とかある?」
会話なんてまともにしたことないから、これでいいのか分からないけど…
「…げ、ゲームとか…」
「俺もゲームしてる。」
「…そっか」
ななっし〜は安心したようにそう呟いた。
「…くそ〜いいなあ、青春してて…」
俺、凸もりは部屋の近くで聞き耳を立てて、そう呟いた。
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え、尊い