コメント
3件
え、尊い
「……………」
周りを見渡す。
辺りは地溜まりができてて、沢山の死体がある。
…任務は完了した、けど…
………限界かな…
いっそのこと、このまま…
「…酷いな、これ…」
「…そう、だね…」
凸さんの言葉に半ば上の空とした声で私、ななっし〜は呟いた。
「一人の殺し屋が任務終えたからって、後処理で来たけど…中々めんどくさそう。」
べるさんは驚いた声でそう言った。
…あれ?あの人…
私は一人の少年に近づく。
「ちょ、ななっし〜!?」
凸さんが私を呼び止めようとするけど、気にせず私はそばに駆け寄った。
「…!この人、息ある…」
「え、まじ!?」
「もしかしてこの人が殺し屋!?」
「とにかく、急いでこの人を連れて帰らなきゃ…」
…ここは?
俺は全身の痛みを感じながら起き上がる。
「…あ、えっと、大丈夫?」
ピンク髪の少女が俺に話しかけた。
「…全身が痛い。」
「そ、そっか、えっと…」
…俺たちの間に沈黙が流れた。
気まずい、どうしよ…
そう思っていると、部屋の扉が勢いよく開かれた。
バキッと扉が壊れる音がした。
「ななっし〜!あの子起きた!?」
「ちょっと凸さん!?扉壊さないでっていつも言ってるじゃないですか!」
「ご、ごめんしぇいどさん、けど心配で!」
「うう…またお金出して扉直さないといけないのだ…」
「ほんとごめんなさい…」
「…ご、ごめんね…いつもこの人たち騒がしくて…」
「あはは…」
俺は少女の言葉に苦笑いを浮かべた。
「気を取り直して…俺の名前は凸もり!凸さんって気軽に読んでいいよ!」
「私の名前はしぇいどです。よろしくお願いします。」
「私はべる!よろしくね!」
「ニグと申します。よろしくお願いします。」
「僕はうたい。よろしく。」
「あふぇりるです。よろしくお願いします」
「おどみんのリーダー、おどろくなのだ!よろしくなのだ〜」
「ほら、ななっし〜も!」
凸さんにそう言われた少女は、目線を下にして話し始めた。
「…な、ななっし〜、です…よ、よろしく、ね…」
「…あーえっとごめん、ななっし〜は人見知りが激しくて…」
人見知り…?
違う、俺と同じで、何か…
「…それで、君の名前は?」
「…さぁーもん、これは殺し屋としての名前だけど」
「そっか…それでさもさん、突然だけどおどみんに入る気はない?」
「は?」
俺は思わず声が出た。
「さもさん強そうだし、入ってくれたらいいな〜っておどろくが言ったのだ!」
「…それにさ、さもさん怪我してるじゃん、だから面倒見たいし、一人だと色々大変だろ?任務とかも…」
「…まあ」
「…あれ、そういえばさもさんって何歳?なんか幼く見えるんだけど…」
「…13」
『え!?』
皆が驚いた。
「ななっし〜と同い年!?」
「まじで?もうちょい年上だと思ってた…」
「…あの」
俺が声をかけると、皆が声を止めて俺を見る。
「…正直色々限界だったから、入ろうかな…おどみん」
どうでもよくなってたし…
「…おどみんに新メンバーなのだ!やったなのだ!」
「どうする?お祝いでもする?」
「待ってください、さもさんは怪我もしてて疲れてるんです。お祝いは落ち着いてからにしましょう。」
「あそっか…あじゃあさ、ななっし〜さもさんと何か話してなよ。」
「え」
「確かに、年同じですしね。」
「それじゃ、俺たち下降りとくから、なんかあったら言ってー」
「えちょ、ちょっと」
ななっし〜の言葉を聞かず、皆は部屋を出ていった。
「…あ、え…っと」
「…別に、何か話したいとも思わないけど…」
「え」
「…寝ていい?」
「ま、待って…」
「?」
「…心細いから…何か話したい…」
ななっし〜は目に涙を浮かべながら言った。
俺はななっし〜のことを抱きしめた。
「…え」
俺は人を信用してなかった、だから人生を諦めてしまった今、全てがどうでも良くなっておどみんに入ったのに…
ななっし〜は安心できる、ななっし〜はどこか俺と同じだから…
「…ななっし〜って、趣味とかある?」
会話なんてまともにしたことないから、これでいいのか分からないけど…
「…げ、ゲームとか…」
「俺もゲームしてる。」
「…そっか」
ななっし〜は安心したようにそう呟いた。
「…くそ〜いいなあ、青春してて…」
俺、凸もりは部屋の近くで聞き耳を立てて、そう呟いた。