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#地雷系
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
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#いじめ
名瀬口にぼし
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コメント
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うわ、ローズマリーの一途な恋心がもう切なくて…!クッキー持って駆け寄る姿とか、花占いするところとか、少女の純粋さがすごく伝わってきました。でもジャスティンが「俺はいいから竜馬に」ってやんわりかわす距離感がまた良いですね。 それにしても竜馬とジャスティンの関係性、プールサイドでのやりとりが印象的でした。「真夜中色の瞳」とか言われて、なんか二人の空気が変わった気がします。最後のミシガン湖の回想、ジャスティンの家族の話が出てきてキャラに深みが出ましたね。この先がすごく気になる!
.:・.。. .。.:・
「ジャステーィン!!」
シカゴのナルシソ・カジノ・ホテルの 厳格ではあるが、心優しい胴元締めチャック・コンチネンタルの一人娘(ローズ・マリー・コンチネンタル)が、籠製の皿に焼き立てのクッキーを山盛りのせて、バラ園に佇むジャスティンに駆け寄った
ローズマリーはチャックが最も愛した一人娘であり、その愛ゆえに父の真実の姿など知る由もない、ローズマリーは有名お嬢様ハイスクールに通う女学生だ、彼女は輝くばかりに美しく、陽気さでいっぱいの夢見る小女だった
そして世の中で純粋に、恋をしている少女ほど可憐なものはなかった、ジャスティンがローズマリーの顔にロイヤルブルーの瞳を向けて見つめて来た、それだけでローズマリーは天にも昇る気持ちになった
「あ・・・あの・・・クッキー食べない? 沢山焼いたの!」
ジャスティンが辺りを睥睨している仕草や、彼の動作のしなやかさを眺め、あまりの美しさにホォ・・・とため息をつく・・・
初めて父の仕事場のカジノに連れて来てくれた日、ルーレットを回すジャスティンを一目見て、ローズマリーは雷に打たれた、だってジャスティンは、美術史で見たギリシャのヘルメス神そっくりだったからだ
そして、ティーンエイジャーのローズマリーは、美しくて勇ましいジャスティンに、たちまち狂おしいまでの恋心を抱いた、しかしジャスティンはいつも彼女に対して、礼儀正しく、兄のように労わり深く接してくれるが
どこか彼女に距離を置いていた、それがローズ・マリーにとって壁になっていた、ジャスティンが茶色と白の格子柄のクッキーを一つ摘まんで口の中へ放り込んだ
「・・・上手いな・・・」
「本当?」
―ああ・・・素敵な素敵なジャスティン・・・本当に彼はヘルメス神のよう・・・―
彼の頭上にはシカゴのレモン色の日光がさんさんと降り注いで、金髪が輝いて彼自身がオーラを放ち光っているように見える・・・どうしてこんなに素敵な人が存在するのかしら・・・
ローズマリーのハシバミ色の瞳が輝き、頬がピンク色に染まった、 風に肩までのパーマをかけた髪を揺らして言う
「ねぇ・・・沢山あるからあっちで一緒に――」
「こういうの竜馬が好きなんだ」
ジャスティンは言った
「俺はいいから竜馬に持って行ってあげて、 ローズマリー」
「・・・わかった・・・ 」
ジャスティンはとろけるような笑顔を浮かべた、文字通りローズマリーは芯からとろけてしまった
「ごっそさん」
そう言ってジャスティンはローズマリーを一度も振り返らずに去って行った
.:・.。. .。.:・
「お~いしぃ~~よぉ~~~(はぁと) ローズマリー」
竜馬がほっぺ一杯にリスさながらに、クッキーを頬張って一生懸命もぐもぐしている
「ねぇ・・竜馬・・・ ジャスティンは誰か好きな人がいるのかしら・・・」
ローズマリーがバーカウンターに頬杖えをついて、切なくホゥッとため息をつく
もぐもぐ・・ 「ジャスティンは女の子なら誰でも好きだよ?」
開店前なのでバーテンダーの制服に、首に蝶ネクタイをだらりと垂らした竜馬が言う
竜馬より一歳年下のローズマリーが花瓶に刺さっている花を一輪取って、花びらを一枚一枚ちぎりながら花占いをしている
「ジャスティンは私に冷たいわ・・・ きっと綺麗な人を沢山知ってるんでしょうね・・・ それに比べたら私なんか・・・」
しょんぼりして言う
「何?ローズマリー、ジャスティンにファックしてもらいたいの? お願いしたらしてくれるんじゃないかな? きっと断らないと思うよ、ジャスティンが女の子に誘われて断ったの見たことないし」
ローズマリーがぷくっと膨れる
「んもぉ~~~!そんなのと違うの! 私はただ彼とファックするだけの関係なんて嫌! 相思相愛になりたいの! 」
竜馬が目を見開いて驚いた
「そうなんだ!そんなこと言う子、初めて見た」
竜馬が不思議そうに言う、実際にジャスティンの周りには、彼に色目を使う女しかいないし、一部の男性達の中でもジャスティンには一目置いてる人間はけっこう多かった
今やバジリストとバーボンの配下だった者達はジャスティンを恐れていたし、そんなジャスティンが竜馬を寵愛していることは周知の事実で、 竜馬とドンの娘のローズ・マリーにみんな優しくしていた、なぜなら誰もが殺されたくないからだ
暗黙の了解でジャスティンがファミリーの「鉄槌」で、かつ随一の価値ある男として、遠くからみんな固唾を飲んで観察していることなど・・・そんなこと竜馬やローズマリーはまったく知らないことだった
「ねぇ! ジャスティンの好きな食べ物何かしら?」
「それなら知ってる!curry(カレー)だよ!」
「curry(カレー)??」
ローズマリーもクッキーをほっぺに頬張り、もぐもぐしてる
「うん!前に僕がカレーを作ってあげたんだ、そしたらジャスティン気に入っちゃってさ、毎日これでいいって言ってたよ」
「本当?」
「クッキーのお礼にレシピ書いてあげるよ」
「ありがとう竜馬!」
竜馬とローズマリーはクッキーを頬張った口のまま、紙ナプキンにボールペンでカレーのレシピを書き、それから二匹のリスは楽しそうに頭を突き合わせてジャスティンに喜んでもらう作戦を練った
. .。 .:・.。.
「・・・でさっ ローズマリーにレシピを書いて 教えてあげたんだ、だからローズマリーがカレーを作ってきたら、ちゃんと(美味しいっ)って言ってあげてね!」
「あー・・・・」
ナルシソ・ホテルの人工砂浜のプールサイドで、ジャスティンの金髪の頭を膝にのせて座り、棒アイスを食べている竜馬が言う
「それにチャックはちょっと神経質なんじゃないかな?ローズマリーにあんなに護衛を付けてさっ、学校に行く時も着いて来るって彼女言ってたよ、嫌だけどパパの言う事を聞かないといけないって・・・ローズマリーはきっと寂しいんだよって・・ ちょっと!聞いてるジャスティン? 」
「うー・・・・ 」
ジャスティンは気だるそうに目を閉じ、ウトウトと竜馬の話に気のない返事をさっきから繰り返している、シカゴの夏はのんびり去って行く・・・秋だと言うのに昼間は真夏並みに熱い日がある、人口砂浜に、人口プールの水はシカゴの太陽を反射して青くキラキラしている
目の前の波打ち際には、ルビー率いる愛人達が、そして今はそこにローズマリーが加わって水遊びを楽しんでいる
「んもう・・・・気のない返事だな、ジャスティン?最近寝てばかりだぞ! 」
竜馬は寝ているジャスティンの顔の力強いラインをじっと見た・・・今はサングラスをカチューシャ代わりにして、前髪を上げているので、彼の綺麗なむき出しの顔が太陽に焼かれている、びっしり詰まって生えている前髪の生え際を観察する、やはり頭皮は黒髪の自分と比べて日に焼けやすいのか、ピンク色だ
長い金のまつ毛・・・ 閉じた薄い瞼・・・鼻の付け根の骨がどうなっているのか異様に高い、自分とまるでパーツが違う、同じ人間と思えなかった
―アイスクリームを顔に垂らしてやろうか・・・―
ジェスティンは全体的に作りが荒く、男の竜馬から見ても、ものすごくハンサムだ、ローズマリーが夢中にもなるのもわかる、悔しいから竜馬は欠点を探し出した
ケケケッ 「腕毛ヤバいな、金髪だから目立たないけど熊みたいだ」
竜馬がからかって言った
「日本人はみんな竜馬みたいなのか?」
「僕みたいって?」
ジャスティンはアイスクリームが着いた竜馬の唇を、親指でそっとぬぐった、サングラスをかけたので今の彼の表情はわからない
「ついてる」
ジャスティンはそのアイスがついた指を舐め、竜馬の前髪をかき上げた
「そうだな・・・みんな髪は、お前みたいにこんなに真っ黒なのか?」
サングラス越しにジャスティンと目が合う
「うん、染めてるヤツもいるけどね」
さらにジャスティンはそっと竜馬の眉毛とまつ毛を撫でた
「お前の瞳は【真夜中色】だな」
クスクス・・・ 「どんな色だよ?」
「真っ黒で・・・どこか寂し気だ」
ジャスティンの手が竜馬のほっぺたをムニッとつまむ
「なんでこんなに伸びるんだ?mochi(モチ)だ! 」
「ひゃめろよ~(やめろよ~) 」
「そして・・・この肌だ・・・ 陶器のようにきめが細かい・・・ 東洋人はみんなこんななのか?・・・ 」
ジャスティンはゆっくりと親指で竜馬のどを撫でた、そしてその指は鎖骨へ 、竜馬はジャスティンの指が自分の体を滑っていくのを少しだけ意識して感じていた
「僕も白人はみんな綺麗だと、思っていたけどみんなサメ肌でシミとかあって汚いな」
ハハッ 「それをソバカスだらけの フレディには言わない方がいいぞ」
「腋毛は? 」
ジャスティンが竜馬の腕をぐいっとあげた
「・・・・全然ねーな・・・ 子供かよ!!」
フンッとジャスティンがバカにする
「下の毛は立派だぞ!」
ムッとした竜馬が海水パンツのゴムを少し持ち上げて、ジャスティンの頭を掴んで 股間を見せた
「ケッ!」
「ケッってなんだよ!ケッって!! ちゃんとあるだろ!! しかたないだろ! 毛が生えないのは体質なんだから」
ムキになっている竜馬に、くだらないとジャスティンが背を向けてまた寝だした
「もう・・・・最近すぐ寝るんだから」
そう言うとまた眠ってしまったジャスティンを、竜馬は口をとがらせて睨んだ、その時ジャスティンの耳が赤くなっているのを 竜馬は気づいていなかった
最近のジャスティンは以前と少し様子が違っていた 、どこが違うのかと聞かれれば、普段と同じだと答えるだろう道を歩けば女の子が全員振り向くほどのハンサムなのに
金髪の髪はいつもボサボサなのも、どういう訳か買ったばかりの服に必ずシワが入るのもお約束のジャスティンなのに、いつものジャスティンのはずなのに・・・
どうして時々こんなにもジャスティンが遠くに感じてしまうのだろう、何が違うのだろう・・・・
ジャスティンはジャスティンなのに・・・・・
水辺ではしゃいでいるローズマリーと、ルビーを眺めながら竜馬は考えていた
あの夜・・・二人で貸し切りの映画館で映画を観た後の夜、竜馬はいつにもなく感情的なジャスティンをハーレーの後ろに乗せて、星の輝くミシガン湖までドライブした
ミシガン湖のカモメに囲まれながら、ジャスティンはそれまで誰にも話したことがなかった、7歳年下の妹ウェンディの心臓手術のことを竜馬に打ち明けた
手術はとても困難で、高額な費用がかかり・・・それを捻出しようと母が昼夜働いて、身体を壊して肺がんになった事・・・そして二人分の治療費が必要になった事・・・
しかし、ジャスティンは嬉しそうにその手術費用の当てが出来たし、母もこれからはそんなに働かなくても良くなったことを話した
竜馬にはジャスティンがどんな人間かわかっていた、初めて会った時からジャスティンはワルだけど、良い人間だ
多くの人を守りたいという願望がジャスティンの中にあるのも知っていた、そしてそんなジャスティンの家族の話を聞いて竜馬も支えたいと思う気持ちを高ぶらせた
竜馬は以前にルビーからもらった高級時計のお金を、ジャスティンにそっくり使ってくれと言った、 ジャスティンはその金は竜馬の大学費用に充てろと笑って首をふった
あの時の純粋な笑顔は・・・・
あれがたしかなジャスティンなのに・・・・
今は・・・・・
竜馬は首を振って、考えるのをやめた