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#地雷系
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
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クラリス
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リリア💙🤍
207
#いじめ
名瀬口にぼし
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「アンドリュー・ウォルツ」はミシガン湖はアイアンウッドの街でもなかなか骨っぽい男で学生時代はラグビーで、フランカーを務めるほどの体力の持ち主だった
黒髪、短髪の中肉中背で、ゲイではないが、どっちかといえば女より男の方が好きだった、そして今はアイアンウッドシティのマフィアの自分のボス「バーボン・ハリケーン」の無能さにほとほと嫌気がさしていた
アンドリューはこの五年間、バーボンの右腕だったが、カジノの運営も上手く行かず、金貸し業務もきちんと回収計画の無いバーボンのせいで、ファミリーはガタガタになっていた
アンドリューはファミリーをできれば抜けたがったが、それも出来ず、最近は深い喪失感を覚えていた、そこにシカゴの巨大ファミリーからアポイントがあったのは、つい先週の事
今やコンチネンタルファミリーの勢力はシカゴだけではなく、イリノイ州を超えつつあるという噂を聞いていた、ドンコンチネンタルに友情と恩義を感じている暗黒街の重鎮達が、かなりいることも聞き及んでいた
そして、そのドンコンチネンタルが、わざわざ自らバーボンの領域に乗りこんで来て、面会の約束をつけて来たのだ
この面会が、同ファミリーにとってプラスに働いてくれるのは間違いないと、アンドリューが用意した面会場は、アイアンウッドの海辺のマフィアが会合に使う、こ洒落た隠れ家的なレストランだった
面会の日、この店の店主とウエイトレス以外はいっさいの人を排除し、表向きはcloseの看板がかけられている、アンドリューは緊張しながら、噂のゴッド・ファーザーを迎える準備をした、約束の時間になり、ドンコンチネンタルが、二人の側近を従えて店に入って来た
噂通り、彼はきっちり時間を守る人間だった、二階の特別室に彼らを通し、そして円形のテーブルの一番上座にドンが座り、二人の側近が両サイドに座った、アンドリューは初めてお目にかかる暗黒総指軍を、さりげなく観察した
ドンコンチネンタルは、イギリス紳士のようなほっそりとした体に、誂えたブラックのスーツを粋に着こなしていた、シルバーのヘアをクールカットにし、やや鼻が尖り気味だなと感じていた・・・とてもではないが、この人物たった一人が、暗黒街を取り仕切っているようには見えなかった、たしか妻と娘がいると聞いたことがある・・・
次にアンドリューは、ドンコンチネンタルの両側に座っている側近を順番に観察した、右の男はたしかドンの顧問弁護士でマイケルジェラードという男だ・・・グレーのスーツでこれといって特徴のない顔立ちの、ひどく痩せた男で、年齢は40手前といった感じか
そもそもドンが年齢不詳なのだ、力が全てのこの世界では年齢など関係なかった、そしてなんと言っても、この場にふさわしくないほどの美しい男がドンの左後ろの椅子に座り、今は眠りこけていた
アンドリューは船を漕いで眠りこけている金髪少年に見惚れた、どうしてこの美しい金髪の小僧がドンコンチネンタルの背後に控えているか謎でしかなかった
―ドンには息子はいないはずなんだが・・・若いな、若すぎないか?そしてとんでもない美丈夫だ、もしかしてドンの愛人?―
アンドリューは彼を見ているだけで胸が高鳴るのを感じていた、艶やかな金髪、手足を投げ出して壁にもたれて眠っている、その肢体・・・手足がとても長く、そして閉じた目の睫毛がとても長い
その時、部屋のドアにノックの音が響いた、アンドリューはドアの一番近い所で立って控えている美丈夫がノックに応じようとせず、大きくあくびをしたのにとても驚いた
ドアを開けに行ったのは顧問弁護士の方だった、ドアからドヤドヤとアンドリューのボス、バーボンがずいぶん遅れて側近二人を連れて入って来た
「なんだアンドリュー!お前話を進めていなかったのか?」
バーボンはアンドリューを見るなり怒鳴った
「ドンコンチネンタルが、あんたと直接話がしたいって待ったんだぜ?」
アンドリューは呆れてバーボンに言った、コンチネンタル側の三人はアンドリュー達のやり取りを無言でじっと見つめていた(眠りこけている少年以外は)
バーボンはドンコンチネンタルよりもまだ年は若いくせに、酒のせいで、声はしわがれ、髪が禿げあがっているので、年齢よりも随分老けて見える、中肉中背の悪党だった
バーボンの部隊は、アンドリューの指揮の元、一軍の実力部隊だという噂がたっていたが、コンチネンタルとは互角に戦えるかいささか不安だった、そしてバーボンは残忍さでは有名だったが、利口ではなかった
バーボンは目の前のウィスキーを一気に煽り、怒りをかろうじて抑えながら言った
「こんな所までおいで下さったのはありがたいけどよ!噂ではコンチネンタルファミリーが俺を買収する気だと聞いたんだが、そいつはおかしいな、俺がお前さんらを買収するんだ、俺を買うなんてまねはよすんだな!!」
ドンコンチネンタルが初めて口を開いた
「この街の君のカジノは奇妙なほど損をしている、君の経営法に何か不味いところがあるんだ、私達ならもっと上手くやれるだろう、好きな値を提示してくれ」
バーボンが荒々しい声で笑い出した
「俺のカジノを売る気なんざ、さらさらねーなっっ!」
「君のカジノには、我々も設備資金として膨大な金を出資しているんだ、しかしその支払いも滞っている、我々は困っている君を助けたくて、君の株を君の指定する適当な値で買う、このどこが不満なんだね?私達は君のカジノが損をしていると言うのに君の利益になることを申し出ているんだよ?」
バーボンは強欲そうな目をギラギラさせて言った
「何をしゃらくせぇ!お前達がここを拠点に武器商人を集めようとしているのは知っているんだぜっ!!俺にもスパイはいるんだ!ここは俺の土地だ!俺を誰にもここから追い出せるわけがないっっ!」
この時、初めてチャックは彼の性格の内にある人を凍りつかせる一面を、アンドリューはじめ、目の前の二人の男に惜しみなく注ぎかけた・・・アンドリューはドンコンチネンタルの恐ろしい氷のような視線を受けて、身体がビリビリしていた、うちのバーボンはどうしてこの殺気を分からないんだ、やっぱりアホだ
「なぜカジノが損をしているのかよく考えた方がいい、コンチネンタルファミリーはここに膨大な資金を投入しているにも拘わらず、それに見あうだけのものが入ってきていない、それでもその救いに唾を吐きかけたいというなら好きにするがいい 」
ドン・コンチネンタルが静かに言った・・・ガタンッとバーボンが立ち上がった、頭に血が上って自分の身を警戒するのをすっかり忘れている、咄嗟にアンドリューがバーボンを押さえた、アンドリューはバーボンを押さえながら、ほとほとコイツの部下でいる事に嫌気がさした
「全面戦争かよ!チャック!上等じゃねーか! こっちは最後の一人になっても お前さんと刺し違える覚悟でいくぜ! みんながあんたの事を何て噂しているのか知ってるかい? 『ドン・コンチネンタルは歯の抜けた老いた虎』だってさ」
ワハハハハ、とバーボンが何がおかしいのか声高らかに笑った、今やこの部屋の誰一人として笑っていない、そしてズイッとドンに詰め寄り、バンッとテーブルに手を付いてバーボンは、チャックに囁いた
「お前の嫁さんと娘の背後に気をつけるんだな、俺のはデカいから お前の娘が処女ならかわいそうだなぁ~・・・ 」
「ち・・・ちょっと! バーボン・・・ 」
その時あわてて止めに入ろうとしたアンドリューの全身にビリビリと悪寒が走った、しかし見てみるとバーボンのとんでもない 脅しとも侮辱とも捉えられる言葉に、ドンは何の反応も見せていなかった、殺気はドンではない所から来ていた・・・
先ほどからドンの後ろで寝ていた美丈夫からだった、アンドリューのうなじが「ざわっ」とざわついた、今では彼は起きて、目を細めてバーボンをじっと見つめている・・・瞳は美しいロイヤルブルーだが、そこには一片の温かみも無い様に見えた、 こんなに若いのになぜかコイツから妙に血なまぐさい風が漂ってくると感じた、その時にハッとした
―もしかしたら、ドン・コンチネンタルは芸術的な殺し方をする (仕事人ヒットマン)を抱えていて、そいつの名は彗星だとみんなが噂していたが、コイツが?まさかな・・・こんな虫も殺さぬ顔のヤツが―
ヘンなことを考えた自分がおかしかった、散々ドン・コンチネンタルを罵倒した後、バーボンは高笑いをして颯爽と出て行った、アンドリューは慌ててドンにペコリと頭だけを下げて、バーボンを追った・・・・
.:・.。. .。.:・
「大丈夫だよ、銃を降ろしなさい」
誰もいなくなった面会場に残されたチャックがポツリとつぶやいた、後ろにいたジャスティンは袖に隠していたコルトの安全バーをカシャンとかけた
「彼が理解できたかい?」
チャックの問いかけにジャスティンは小さくコクンと頷いた、そして足音も立てずにドアから出ていった
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コメント
1件
うわ、このエピソードめちゃくちゃ緊張感ありましたね……! アンドリューの視点で描かれるマフィアの交渉シーンが生々しくて、特に「寝てる美丈夫=まさかヒットマン?」の流れがゾクゾクしました。バーボンの無能さとチャックの静かな威圧感の対比も見事。タグに恋愛・溺愛とあるので、あの金髪の彼(ジャスティン?)とアンドリューの関係がどう動くのか、続きが気になりすぎます!