これは、私がまだ小さい頃の記憶_
「 おとうさん!おかあさん!私ね、おおきくなったらせかいじゅうを笑顔にするアイドルになるの!」
「 へぇ!お父さんとお母さん、千紗が立派なアイドルになるの応援してるわね!」
「 千紗!動きズレてる!もっと合わせなさいよ。 」
「 あっ、ごめんね… 」
私はメンバー合わせて4人のアイドルグループに入った。まだ底辺地下アイドルだけど。
でもファンは数人いる。一番人気なのはリーダーで青担当の美咲、芸名は「ミーこ」
その次に人気なのは桃色担当のリコ。芸名は「夢野もふ」
そこそこ人気なのが黄色担当葵。芸名は「あんず」
そして一番人気がなく、そこまで熱烈なファンがいないのが白担当の私。千紗。芸名がないから、みんなから「ちーちゃん」と呼ばれている。
「 はぁ、千紗さーやる気ある? 」
「 ごめん、みんなの動きに合わせられなくて…」
「 ちょっと〜美咲、ちさのこといじめ過ぎ(笑)」
「 まぁ仕方ないんじゃない?千紗だけ芸歴ないし、飛び級でアイドル始めたもんねぇ。人前出るのそりゃ恥ずかしいよ(笑)」
「 だから人気ないんだよ?ちーさ 」
「 だよね、もっと頑張るね… 」
たぶん、私がいない方がみんな人気出るし、私なんかみんなみたいに顔がいい訳じゃない。
そんなこと自分が一番分かってる。分かってるのに_
「 今日もダメダメだったなぁ、次のライブは来月だし… 」
アイドルなんて、簡単に出来るものじゃないって分かったのは今のグループに加入してから。でも私はその覚悟を決めて続けてきた。
私も美咲みたいに、メンバーからもファンからも好かれててなんでも出来たり、リコみたいに愛嬌があって誰もが惚れてしまうような可愛さがあったり、葵みたいにダンスが上手くて優しさのある。そんなアイドルになりたかった。
私なんて何の面白みもない、そんなやつがなんで今この瞬間までアイドルを続けていけてるんだろう。
神様、お願いです。私が一流アイドルになるという希望を与えてくれませんか…?
コメント
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一流のアイドルになるためにはかなりの練習が必要だから大変だよね、。 それでも諦めずに頑張る千紗ちゃんは凄い、、 私が応援しに行ってあげたい、🥺