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皐月side
あれから肺が痛む……、呼吸するのも、咳もくしゃみも全て…傷んで仕方ない……。
咳も止まらない。
皐月side
『あぁ、もう限界か。』
咳き込んで肺が痛むのが分かる。
肺気胸は肺に穴が空く病気だ。ストレスやら睡眠不足、タバコだって影響する。
片方なら問題無い。
でも両方なら命に関わる。
知ってた。ずっと片方の肺が変な事に、知ってたんだ。全部。
でも、無視したんだ、この青春を……、俺が居るという事にしたかった。
何もしないで居るのが嫌でみんなに嘘ついた。
ごめん……ごめんなさい。
両方の肺をダメにした俺には救いようが無い、なんせ息が出来ないから。
でも、ナースコールは押せなかった。
俺には……、俺なんかが押せなかった。
だから…辞めた。生きたいって想いも全部。
辞めたんだ。
どうか、どうか皆に幸福があるように……。
梅宮「……?」
柊「どうした?畑仕事終わってねぇぞ?」
梅宮「んー、何か心がざわつくというか……。」
柊「だぁー!そんなんどうでもいいだろッ!早く終わらせろやッ!お前が朝早く電話かけて来たから俺が居るんだろうがッ!」
梅宮「わりぃわりぃ!柊が出てくれて良かったわぁ!」
梅宮side
何故か嫌な予感がした。
大切な物が消えるような……、届かないところに行くような……。
梅宮「……皐月…大丈夫かな。」
柊「皐月なら大丈夫だろ、アイツしがみついてきそうだし。」
梅宮「…うん、そうだよなぁ。」
そうであって欲しい。
現実は上手くいかない。
泣き喚く人や、悲しんで傍にいけない人……。
嘘だと言ってくれ……。
棺桶に恐る恐る見ると……。
嘘だ、嘘だ嘘だッ!
そんな訳……、何で……。
皐月が死んだ……。