やぁ、俺は「輝真(きさな)」だ。俺は今家出をしている…。
それは、数時間前のこと…
母「今度引っ越すからね」
輝真「…は?」
スマホを見ていた時突然母が言った。
俺は突然のことに驚きを隠せず、言葉が詰まった。咄嗟に出たのがこの言葉だった。
輝真「なっなんで急に…」
母「実は…」
母が言うには仕事がクビになり、別の仕事を見つけなければならなかったが、なかなか見つからず別の県に面接に行ったところ、受かったらしい。
だが、その場所は今住んでいる場所から遠い。なので、引越しをするしか無かった。
もちろん俺は反対した。
輝真「俺は嫌だ!引越しなら母さんだけすればいいだろ!?」
母「たっ確かに輝真は一人でなんでも出来るわ…ご飯も自分で用意するし、掃除だってできる…でもお母さんは心配なのよ?だから一緒に行きましょう?」
俺は苛立った。心配?母のせいで俺まで巻き込まれるのかとイライラが募った。
輝真「ッ!もういい!!俺は出てくからな!!勝手にしろ!」
そして現在、俺は森に迷い込んでいた。
輝真「…どうしよ」
この森には入ったことがない。母にとめられていたから。そしてこの森にはある“噂”があった。それは…
??「あら?なんで“人間”がここに?あまり人は近づかないはずなのだけど…」
その噂は“魔女”がいるという噂だった。
輝真「…え?まっ魔女?」
魔女?「えぇそうよ?私はその森の噂にある魔女…」
輝真「!?」
やばい。逃げなくては、何をされるか分からない。話によればこの森に入った人は帰ってきていないという。
輝真「ッ!」
魔女?「…逃げるのね。別に逃げなくても何もしないのに」
何か魔女が言っていた気がしたが、俺は逃げた。
しばらくして逃げる意味はあるのか?と考えた。
逃げてもこの森から出るまでは魔女の敷地内だ。逃げれるはずがない。
そもそも俺は迷子だ。帰る道も分からない。…というより帰り方がわかったとしても帰る意味があるのか?あんな意味がわからない母親のところに。
魔女?「あれ?逃げるんじゃなかったの?」
魔女が俺の目の前にいた。何故…ここがわかったのだろう。
魔女?「君…迷ってるの?ここから出たい?」
輝真「まぁ…出たい…けど…」
魔女?「道、教えてあげようか?」
輝真「…え?」
驚いた。道を教えるというのだから、俺はてっきり返さないのだと思った。
輝真「…教えてくれるのか?」
魔女?「えぇ君がその気なら」
輝真「…」
どうゆうか迷った。実際俺は今家出をしている。なら、帰る意味はあるのだろうか?いや、ない。帰っても母に振り回されるだけ。それなら俺は…
輝真「帰りたくはない。俺はできるならここにいたい。」
魔女?「へー…なら、私の家に来る?」
魔女はにこっと笑って言った。この魔女はなんで出会ったばかりの俺を家に…?
輝真「…行ってもいいのか?」
魔女?「えぇ!家出とかなら帰る場所はないのでしょ?」
輝真「まぁ…そうだけど」
魔女?「なら決定ね!」
魔女?「あっ私の名前は“瑞映(みなは)”って言うのよろしく」
魔女は嬉しそうに言った。
輝真「…よろしく。俺は輝真だ」
瑞映「輝真…いい名前ね」
いい名前…初めて言われた。嬉しかった。
輝真「…ありがとう。瑞映もいい名前だと思う」
瑞映「ほんと?ありがとう!それにしても…初めて見た」
輝真「?」
瑞映「君が笑ってるところ」
輝真「え?笑ってた?」
瑞映「ふふ」
瑞映は笑いながら俺を家に連れていった_。
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