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偉い人「この3人は仕事ができるということだったので早速任せようと思う。」
3人「はい、」
偉い人「銀行強盗犯だ、裁判は明日。」
3人「はい、」
明日、私の初裁判だ、
時が経つのは早いもので、もう当日。
検察官「……だから、……」
弁護士「でも、……」
一言一句聞き逃さないように。
どんな証拠一個も見逃さないように。
空気感も読み取ること。
裁判の前に照たちに教えてもらった。
そして何より大事なこと。
被告人の表情や汗などを読み取ること。
もし行ければ目を合わせること。
目が合う。
怖い。
人と目を合わせるのは。
だけど逸らさない。
汗は?表情は?
それに基づいて考える。
岩「では裁判官で話し合います」
岩「多数決で行こう、望奈は?」
私「岩本さんは、…?」
岩「俺の意見を読もうとしちゃダメだ。俺が正解でも、間違えでもない。」
そうだ、裁判官はそういう仕事だ。
私「はい、すみません… 私は無期懲役がいいと思います、」
結果、被告人は執行猶予なしの無期懲役になった。
無期懲役ってことは、牢屋から出られないのか。
可哀想だな、
家庭とかあるはずなのに。
私、選択を間違ったかもしれない、
……どうしよう、
ぽん、
頭の上に手が置かれる。
岩「そんなんになる必要はない。間違えも正解もないから。」
確かにそうだ、
今のでちょっと心が軽くなる気がした。
岩「判決を言い渡す。無期懲役。被告人、言い残すことは」
被告人「なぁ、そこのおねーさん。」
私を指さして言った。
被告人「俺のことずっと見てたよなぁ、好きなんじゃないの、助けてよ、じゃあ、」
被告人「なぁ〜?俺は悪くねぇって〜」
ニンマリ笑う姿がいじめっ子と重なる。
目が逸せなくて、頭がチカチカする。
っ、
目の前が真っ暗になる。
私「っ、!?」
頭上から声が聞こえる。
岩「被告人を連れて行ってください。」
ラ「早く〜?」
暴れる声が聞こえる。
すぐなにも聞こえなくなる。
耳も塞いでくれたのかもしれない。
岩「……大丈夫か、?」
優しい声が聞こえる。
私「あ、はい、ごめんな…」
岩「謝る必要はない。ちゃんと判決を下して、偉かった。」
私がこんなふうに人を安心させるためにはどれくらい必要なんだろう。
ラ「怖かったねぇ、もう大丈夫、!」
こんなふうに温かい言葉をかけてくれる。
こんな弱いのに、私は。
岩「1回目の裁判にしては上出来。次も大丈夫だよ」
ラ「そう、!お疲れパーティーしよ?」
二人は本当にどこまで優しいんだろう。
ラ「宅飲みでいい?」
岩「店でよくね?」
ラ「ん、じゃあ居酒屋予約しとく〜、」
私「ありがと、!」
岩本side
3人「かんぱぁい、!」
ラ「お酒美味しいねぇ、」
岩「お前あんなに弱そうなのにめっちゃ飲むもんなぁ、」
ラ「へへっ、」
岩「望奈は飲むの?」
望「いつもはあんま飲まないかな、」
ラ「ていうか岩本くん、びっくりしたよ、いきなり目塞ぐから、!」
岩「あぁ、…」
望奈が震えてるのを見たら思わず動いてた。
守ってあげなきゃ、って。
岩「別に、新人っていつもそうじゃね?」
本当は違う。
俺があんなふうに女に触れられるわけがない。
でも気が付いてたら、口まで開いてたんだ。
ラ「そういうもん〜?笑」
望「でも助かった、ありがとう、!」
不慣れなタメ語も、ちょっと飲んで酔ったような赤い顔も。
とんでもなく愛おしくて、守ってあげたい。
これを恋というのなら、納得できる。
望奈が隣に座ってるラウールに向くこの気持ちが嫉妬なんだと。
望奈をもう独り占めしたいという気持ちが束縛なんだと。
次のお話 ♡50