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晴「タイムマシン?」
愛莉「は?」
静葉「ほ、ほんとなの…?」
直樹「予想の斜め上来たな」
冰鞠「私帰るね、さいなら〜 」
佐能「いやちょちょっ!待ってくださいよ〜!」
佐能「いや、ほんとっすから!」
直樹「今すぐ使えるのか?」
佐能「もちろんっすよ!」
佐能「ちょっ駆け足で説明させてもらいますね!」
佐能「昨日の夜、裏山のほう見た人居ます?」
愛莉「え、見てないけど…」
佐能「あーそうっすか、話の流れはこうっすよ」
佐能「裏山の方角にオレンジ色の光球がフラフラと飛んでいってるのを見かけたんす」
佐能「僕は確信しましたよ、あれはUFOだってね」
佐能「で急いでチャリにまたがって爆走で裏山に向かったんすよ」
佐能「そこにあったのは予想通り、不時着したUFO、そして全身銀色の宇宙人!」
佐能「そしてそいつはUFOから降りて辺りを見渡してたんで、宇宙人の目を盗んで、今しかねぇって思ってUFOに侵入したんすよ」
佐能「そしたら、見るからに重要そうな台座の間で浮いてる物体、つまりこれがあったんです」
佐能「まぁ拝借するしかないっしょ〜って思いまして、でこうして持ってきたっていうことですよ〜!」
晴「ま、まぁ辻褄は合ってるけど…」
佐能「そりゃあ本当ですから!」
佐能「あと、もう1個話があるんすけど」
佐能「これ僕最初タイムマシーンって言いましたよね」
冰鞠「うん、それがなに?」
佐能「なんでタイムマシーンってわかったと思います?」
晴「え……感、とか?」
佐能「なんと、うっかり僕タイムスリップしちゃったんすよ〜!ははは!!」
直樹「佐能、嘘は良くない。」
佐能「いやいやいや!待って、待ってくださいよ!本当っすから!」
佐能「いや先輩、考えてみてくださいよ!1年タイムスリップしたらもう、 1年受験勉強できますよ!どうっすか!?」
直樹「…確かに……」
静葉「えぇ!?そんな早く同意…!?」
愛莉「いやいや!先輩、何納得してるんですか!?」
佐能「愛莉さんも、1年戻れば………えーっと……期間限定の服とか買えますよ!」
愛莉「……確かに…みんなたけちゃんの言う通りだよ〜!」
冰鞠「え?いつの間にか2人そっち側なんだが」
冰鞠「晴、お前は大丈夫だよな?な? 」
晴「圧かけんな。」
晴「いや2人とも、そもそもタイムスリップできるかも分からんよ?」
晴「たけはもう使ってんの?」
佐能「もちろんっすよ!もう使いまくりっすよ〜!」
冰鞠「つ、使いまくり……?」
佐能「まぁ使いすぎて1回事故っちゃったんすけど、……その話は後でしましょう」
佐能「ちょっと皆さん1回着席してください、部室から出ないでくださいよ!」
静葉「はいはい…」
KP「と言うと、ホワイトボードに文字をぶわーっと書き始めます」
佐能「まぁこれ当然説明書ないんで、僕が体験した事を書いてくんですけど、」
佐能「このタイムマシーンあんま融通が効かなくて、ジャスト1年前と今しか行き来が出来ないんす」
佐能「あと、何故か百万年後にもつまみがあるんですけど、まぁどう考えてもヤバいんでこれは辞めときましょう」
佐能「えーそのうえでまず1つ目、このタイムマシンが正常に作動するのは今日、7月31日とちょうど1年前の17時から19時だけです」
冰鞠「融通効かなすぎじゃない?」
佐能「いや、大丈夫っすよ。ちゃんと本物ですから!もしそんなに信じれないんだったら、あとからやればいいだけっす」
冰鞠「え?まじでやるの?」
佐能「そうっすよ 」
晴「まぁ…できるなら1年前何があったか確認できるし、いいんじゃない?」
直樹「あぁ確かに、瑠璃のことも彩華先生のことも確認できるぞ」
佐能「そうです、俺がこのタイムマシンを手に入れた時に真っ先に考えたのは悔しいっすけど、月代瑠璃の捜索っす」
佐能「オカルトをいちいち論破してくる鼻につく奴だったけど、まぁ居ないなら居ないで張り合いがないっていうか、」
佐能「というわけで、僕達が最後に彼女を見た、 あの踏み切りあるっすよね?」
佐能「時間が確か16時半なんです」
愛莉「かなりギリギリだけど、」
佐能「そうなんです、ほんとは16時半にタイムリープしたいんすけど、残念ながらタイムリープ出来るのは17時なんで…」
佐能「とりあえず17時にタイムリープして踏み切り周辺を探したんすけど、何も無かったですね」
佐能「少なくとも踏み切り周辺には居なくてほんと、どこいっちまったんだって感じです」
晴「いなくなる踏み切りの向こう側に行けたらなー何があるかもしんないのに」
佐能「そうっすね、結構3、4回飛んで探したんすけど最後 19時過ぎちゃって、1年繰り返す羽目になったんすけど」
佐能「まぁほんと比喩でもなく消えたとしか思えないですね」
愛莉「でもさ、この日もう1個なんかなかったっけ?あのー……彩華先生の様子 」
静葉「あっそれです!」
静葉「実は私ちょっと前から噂で耳にしてたの、獅童くんと彩華先生の恋愛!」
直樹「そうだったのか?」
静葉「うん、ただあんまり詳しくなくて…まさか本当だとは思わなくてね」
静葉「あと彩華先生と獅童は付き合えてないのよ、!」
冰鞠「えぇ?もう頭パンクするんだが」
静葉「ちょっと詳しく説明するね。彩華先生と獅童くんは私達恋バナ大好き同好会の界隈では有名なの。両思いで」
愛莉「え、何その同好会……」
静葉「まぁ周りがヤキモキしちゃうくらいだったらしいんです」
静葉「で、その関係が進みそうだったのがちょうど1年前だったらしいんです」
静葉「夕方、どこかで待ち合わせしてたみたいなんだけど、」
静葉「あの日……あの大抗争が起こるって教室ザワザワしてたの覚えてる?」
直樹「あ〜そんなのあったな」
静葉「そう、大抗争がちょうどあったの」
静葉「えっとね、当時1年生にしてレディース総長までのし上がった神嵜朱理ちゃんが獅童くんに挑戦状を叩きつけたの」
静葉「17時半に学校の屋上に来いって」
神嵜朱理(かんざき あけり)
高2 若きレディース総長
1年生の時、最短でレディースをまとめ
上げ、総長まで上り詰めた。近づく男は
すべて汚物でも見るように見下し、
サディスティックな暴言と暴力で
完膚なきまでに叩きのめす。兄である
天築学院教師「神嵜聖理」が天敵中の
天敵。むしろ彼女が、ここまでささくれ
立っているのは、聖理への反抗心が端を
発していると言っても過言では無い。
極度の男嫌いで有名。
静葉「獅童くんとしては年下で、しかも女の子からの決闘をスルーしたとなれば大番長としての信用失墜と思ったのか」
静葉「結果、獅童くんは朱理ちゃんとの決闘を優先して、彩華先生との約束の時間に大幅に遅れてしまったらしいの」
静葉「決闘の勝敗こそ獅童くんが手にしたものの、先生との約束をすっぽかした上に、喧嘩に出向いて怪我をした獅童くんに彩華先生は大激怒…!」
静葉「それからというものの、どこかギクシャクしたっきりそのまま1年経ってると… 」
愛莉「え、もう彩華ちゃんそれでも好きなの?」
静葉「多分…… 」
静葉「惹かれる部分があるのかな?」
冰鞠「ちょっ、マジとんでもねぇな…」
静葉「でも大丈夫!佐能くんのタイムマシンがあれば、1年前に飛べばこのギクシャクした関係戻せるよっ!」
冰鞠「え、いつの間にか部長もそっち側なんだが」
直樹「そうだなー……月代も気になるけどそっちも出来たら何とかしなきゃな」
冰鞠「まぁ彩華先生の笑顔が見れないのは寂しいから、何とかするけど」
愛莉「はーいっ冰鞠先輩のツンデレいただきました〜!」
冰鞠「殴っていいか?」
愛莉「やめてくださいデース」
晴「確かに、解決しないと彩華先生ずっと元気ないままだわ…」
佐能「そうっすよね!?獅童先輩にはお世話になってるし!彩華先生にも笑顔でいて欲しいですし!やりましょう!!」
冰鞠「だが調子に乗るなよ。まだ私タイムスリップ自体は信じてないからな」
佐能「いや信じてくださいよ〜!」
直樹「じゃあそろそろ行くか?」
静葉「いやちょっと待ってね、まず作戦を建てましょう。」
晴「確かに、なんにもなしに飛んでも2時間しかないからな…」
静葉「まぁつまり、今回するべきなのは1つ目。彩華先生と獅童くんが会う約束を守らせる 」
静葉「2つ目、朱理ちゃんと獅童くんを接触させない」
佐能「じゃあ1つずつ考えましょうよ」
佐能「まず1つ目から考えましょう」
愛莉「まずさ、朱理ちゃんを冰鞠先輩と私と部長が説得、足止めとか。」
愛莉「その隙に男子が、獅童先輩を彩華ちゃんの元へ連れていく。どう?」
佐能「いいんじゃないっすか?」
直樹「お前見た目より頭いいんだな」
愛莉「いや私INT9だが」
晴「……俺、獅童先輩んとこ行くマ?」
冰鞠「マだが、何か問題あるんか?」
晴「いやぁ〜あんま獅童先輩と関わりたくないんだよなぁ〜……」
佐能「まぁ確かに…威圧感パないっすよ」
直樹「俺は大丈夫だが…2人がな」
静葉「どうにかならないかな…?」
佐能「あ!はいはいはい!」
愛莉「どうした、たけちゃん!」
佐能「いや、名案を思いついちゃいましたよ僕……!」
佐能「もう彩華先生から、屋上に連れて行っちゃいましょうよ!」
晴「あぁ〜、それなら簡単じゃない?」
佐能「いやぁもう彩華先生なら、すぐに同意してくれますよ! 」
冰鞠「ええやん、そうしよ」
静葉「じゃあ、ある程度考えはまとまったから振り返りね」
静葉「朱理ちゃんを止めるグループと、彩華先生を屋上に誘導するグループで別れて行動という感じかしらね」
静葉「で、朱理ちゃんを止めるのが私と冰鞠ちゃんと愛莉ちゃん。」
愛莉「そういえば、どこで止めればいいの?あんま目立たないところがいいと思うんだけど」
静葉「うーん……目立たないところなんてないし……屋上付近以外かな?」
冰鞠「うわ目付けられるの確定やん…」
静葉「でもレディース軍団も居るし、長くは止められないかもね……」
佐能「いや、ここで佐能。天才的なアイデア思いつきましたよー!」
愛莉「なに?」
佐能「これはですね、あの女を確実に足止めることが出来る、最強の助っ人を呼べばいいんですよ! 」
佐能「その名は……聖理先生っす!」
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神嵜 聖理(かんざき ひじり)
3年主任 麗しい体育教師
シュートボクサーからの転身という
異色と経歴を持つ体育教師。幼い頃から
やんちゃを繰り返す朱理を力で 屈服
させている。いわゆるオカマであるが、
正義に熱く、面倒見も良いため、
生徒たちの間では「慣れれば最高」との
呼び声も高い。不良たちにも比較的寛容
であるものの、度を過ぎた悪さや
校外での悪行には決して容赦しない。
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晴「あぁ、そういえば入学式の時、鬼の形相で朱理止めてたよね」
佐能「そうっすよ!なんにせよ天敵っすからね〜!」
佐能「なんつったって実のお兄さんですから!妹の素行には特に目を光らせてるんですよ……!」
佐能「つまり、この2人をぶつけることが出来たらあの女を無力化できる…!」
冰鞠「え、じゃあ聖理先生を探して呼ぶ係がいるってこと?」
佐能「そうっすね…そこが難しいんすよ」
佐能「あのね…僕、この時間聖理先生が居る場所知ってるんすよ」
直樹「こいつ有能やな…」
佐能「実は裏山にいるんすよね……」
静葉「え?大変すぎない……?」
佐能「はい。この時期、裏山が不良 の溜まり場になってるって言う噂で、聖 理先生、巡回に行っちゃってるんですよ」
佐能「だから聖理先生に何らかで連絡をとって、聖理先生が学校に戻ってくるまで、足止めしとかないとダメなんすよ」
冰鞠「難易度バリ高いやん」
愛莉「え、裏山まで行って爆速で帰ってこなきゃいけないってこと?」
佐能「あ、いや…僕達にはこれがあるじゃないですか……!」
KP「と言ってiPhone 14 Pro Maxを取り出します」
晴「おうおうKPどした?」
佐能「ケータイっすよ!もう今はこんな便利な世の中なんですから 」
佐能「これで雨宮先輩か部長にかけても らって、聖理先生に来てもらいましょ」
直樹「いや連絡先知らないぞ?」
静葉「足止めするついでに、職員室で聞きましょ」
佐能「じゃあ、まず職員室に行き、連絡先を聞く。そしてあの女の足止めをしてる間に彩華先生を探したいんすけど」
佐能「あいにく彩華先生はどこにいるか検討つかないっすね……」
晴「それこそ、文明の利器を使って連絡取ろ。連絡先くらい知ってていいでしょ?顧問なんだし」
KP「全然大丈夫です、筋通ってるし」
佐能「あぁ!その手がありましたか」
静葉「じゃあ話をまとめましょう」
静葉「まず、彩華先生に電話をかけるんだけど、誰にする? 」
晴「じゃあ、俺やりますよ」
静葉「じゃあ、晴くんが電話をかけて、直樹、晴くん、たけちゃんが職員室に行って連絡先を貰い、電話をかけてる間に私と冰鞠ちゃんと愛莉ちゃんが足止めをする」
静葉「で大丈夫?」
直樹「おお、これ完璧じゃないか?」
佐能「マジ先輩の言う通り完璧な作戦っすよ!!絶対成功させましょう!」
佐能「じゃあ、1年前にサクッと戻って、ちゃちゃっと解決しちゃいましょう!」
佐能「それじゃ、タイムスリップと行きますかー…!」
冰鞠「言っておくが、これでなんかあったら承知しないからな。」
佐能「もちろんっすよ!」
佐能「皆さん手は触れましたか?」
愛莉「うん早く、!押しつぶされる…」
佐能「絶対離さないでくださいよ!」
佐能「それじゃあ……行きます!」
KP「佐能がボタンを押すと、甲高い音と共に中の光が回転を始め、10秒ほどそれが続くと突然周囲が虹色の光に包まれる」
KP「浮遊感、軽いめまい、吐き気、乱舞する渦巻く光、脳をどこかに引き戻される様な感覚、そして……」
KP「…気がつくと、セミの鳴り響く蒸し暑い部室に貴方達はいました。」