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(。•́ωก̀。)…グス…………紫苑(泣)
BGM~♪TWOでお楽しみください
検査の結果 脳の損傷は見られず、
順調に回復していった。
マスコミの対応も深澤と岩本が対応し、
改めてメンバー同士の仲の良さが話題となる。
退院の日 岩本と深澤がおかえり、と
笑顔で出迎える。
「照くん、ふっかさん。」
2人にお辞儀をし歩いていく。
「2人とも色々対応して下さってすいません。
本当にありがとうございます。」
岩本が蓮の肩を組んでじゃれ合う。
(気にすんなよ( ◜ᴗ◝ )ニコ) と。
さ、帰ろ~。と深澤も
ニコニコしながら車へ歩いていく。
ー下を向いて通り過ぎる通行人。
普通以上にキラキラしている
男性たちを後目に
紫苑は病院に入って行く。
事情を話し、仕事を辞めるためだった。
〖お疲れ様です。〗
ナースステーションに声を掛ける。
『あれ?紫苑さん今日夜勤だったわよね?
こんな時間にどうしたの?』
師長の佐藤が声を掛ける。
〖師長にお話があって…。お時間頂けますか?〗
『じゃあ、奥の部屋で話しましょうか?
ちょっと外すわ。あとよろしくね』
は~い!
家族室へ入って行く。
二人向き合って座る。
〖実は……………………〗
紫苑は脳内の腫瘍の事、現状の様子などを
淡々と話していく。
『そう……。偏頭痛にしては
おかしいとは思ってたのよね。
随分我慢させていたのね』
〖……2ヶ月後には⚫○施設に移る手続きを
しています。ご迷惑をおかけしますが
今月いっぱいで辞めさせて下さい。〗
『病気が原因じゃ仕方ないわね。分かったわ。
でも、まだ諦めないで。
治療法が無いわけじゃないと思うの。
だから…』
〖ありがとうございます。でも…
日常生活に支障をきたす可能性がある以上
今の生活は送れないので、施設に行きます。
あと、お願いがあって…〗
『力になれることがあればなんでも言って』
〖もし、私を訪ねてくる人がいても
絶対に教えないで欲しいんです。
その時の病状が分からないので
驚かせたくないから……。
壊れていく自分を見せたくない…
だから会いに来て欲しくない。〗
紫苑はそう言うと俯いた。
身体は小刻みに震えていた。
涙は決して見せない。
紫苑の決意の固さを見た気がした。
『誰も?』
紫苑は頷く。
『貴方の決意は分かった。ご家族も居ないし、
もしもの時は私が相談に乗るわ。
連絡してきなさい。』
ありがとうございます。紫苑は頭を下げる。
〖痛っ………!〗痛みで顔が歪む。
痛み止めを飲もうとして包みを落としてしまう。
『タペンタドール?結構強い薬を飲んでるのね。』
注釈:タペンタドールはトラマドールの改良版で、中等度から重度の痛みに用いられる強オピオイド。トラマドールの鎮痛効果を高め、副作用を軽減するために開発された製剤モルヒネと近いもの。
〖痛みの頻度が上がってきていて、
ちょっと辛くなってきていて……。〗
『出勤時間までまだ時間あるわね
休憩室のベットで休んでいなさい。
今なら誰も居ないはずだから。
もし無理なら休んでいて大丈夫だから。
あとで顔出すわ。とにかく休みなさい。』
はい。と紫苑は部屋を出ていく。
休憩室の横の部屋が更衣室になっており、
ベットに横になったものの痛みから
寝付けずにいた紫苑の耳に驚くべき情報が
飛び込んでくる。
《目黒蓮こないだうちの病院に
救急搬送されたんだって?!
なんか呼吸止まってたらしいよ。》
ーえ?蓮がなんで?ー
《聞いた!大騒ぎだったみたいね。
呼吸器付けてたらしいけど半日で外れたって…。
マスコミも集まっちゃたみたいで…
めめ大丈夫だったかな?》
《過労でしょ?芸能人も大変ね。
でも今日退院したみたいだよ。》
女性の口に戸は立てられない。
(蓮…大丈夫かな…。)
強い口調で拒絶をしてしまった大好きな人。
好きになった時には手遅れだって
思い知らされる。どんなに想っても
傍に居られない。壊れていく自分を
見せたくない。彼は優しい人だから
自分を犠牲にしてでも 苦しむとしても
離れようとしないだろう。
そういう人だ。
私が想いに蓋をすれば
自分が我慢をすれば
どうせ私は忘れてしまう
彼は皆の愛する人 独り占めは許されない。
さよなら 愛する人……。
施設で海を眺めながら、
呼吸器によって生かされている紫苑は
リクライニング車椅子で施設の裏庭から
海を眺めていた。
言葉を発することも
身体を動かすことも出来なくなっていた。
〖れ……ん…。〗涙を一筋流し
愛する人の名を呼ぶ。
瞳がゆっくり閉じ 置いてあった
SnowManのCDが芝生に落ちる。
そこには『あいことば』とタイトルが。
しばらくして病院から蓮あてに手紙が届いた。
受け取ってから
勇気が出ずしばらく開けることが出来なかった。
秋風の吹くこの丘にひとりで蓮は佇んでいた。
紫苑のお気に入りの場所
小高い丘の上にぽつんと
ひとつのベンチが設置されている。
手紙を開けると金木犀の紫苑の香りがした。
手紙の中には亡くなったとの知らせとともに、
愛の告白のような言葉たち。
誰にも伝えられることの無かった想い。
『これを受け取っている時は
もう私は居ないね。
あの時突き放してごめんね。
追いかけて来てくれてホントは嬉しかった
歌を歌いたかった。蓮といっしょに。
だから私の分まで
夢を叶えて 幸せになって。
私は先に逝くけど 決して泣かないで
あなたはみんなの愛する人。
誰もが知っているスーパースター なんでしょ?
蓮 出会ってくれてありがとう。
私の人生に幸せをくれてありがとう
さよなら… 紫苑』
嗚咽を漏らし肩を震わせて泣き崩れる。
空を眺めると 満月が涙を照らす。
東の空に無数の流れ星
出逢いから1年が経とうとしていた
どんなに探しても 想っても
そこに愛する人は居なかった
ー終わりー