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最果ての島と最後の願い

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最果ての島と最後の願い

7 - 第7話 願い エンド0

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2025年07月01日

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「り、っか。わらっ、て、」


精一杯の笑顔を浮かべて、陸華にここ十数年言いたかった言葉を伝える。


「っ!うん!」


私の言葉に陸華は満面の笑みで返してくれた。私が陸華とした初めての会話。一番嬉しかった瞬時。


「お、おい!お前、か、体が透けて、」


典華が何やら焦ったように話す。


そっと自分の足には目を向けてみると、確かに透けてきていた。


「時間、は、ゆう、げん、だ、から、ね」


喉の奥から絞り出すように声を出す。やっぱり、たった数分じゃ体に簡単に順応できないみたいだ。


「矢張り、そうなるか」


愛華が独り言を言っている。


愛華は長いこと生きてるから、沢山の事を知っている。これはたぶんだけど、愛華は昔に、私のようになった者を見たことがあるんだと思う。だから、こんなにも冷静なんだろうな。


「あ、れ?愛理、ちゃん?」


ふと、島の奥の方を見ると、愛理ちゃんが寂しそうにこちらを見つめながら居た。


「お、いで、頭、撫でて、あげ、る」


私がそっと微笑みそう言うと、愛理ちゃんは私の方に寄って来た。


「ありがとう。軍艦島さん」


ニパッと笑い、愛理は静かに成仏していった。


「陸華、最後の、おね、がい」


「なに?」


陸華は涙ながらに返事をする。


もう、完全に足は見えなくなっている。意識も朦朧としていた。やっと、私は死ぬんだと、実感が湧いてきた。


「どうか、この、島の事を、ここで、生きた、人達の事を、忘れないで。皆に、伝え続けて」


私の目からは生温い水が流れている。これが、“泣く”ということなんだ。


此処で、私は意識を手放してしまった。陸華からの返事を聞かないまま。でも、私は信じてる。陸華が私の願いを聞き入れて、語り継いでくれる事を。

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