?side
家に着いて、少女を抱え部屋に入った。
???「お、おかえりなさ~い。」
「…何で、お前がここにいんの?」
???「仕方ないです。居心地がいいので。」
???は少女に気づいたのか、目を見開いた。
???「……………………………………誘拐ですか?」
「待て待て、誤解だ 断じて違う。」
スマホを手に、今にも通報しそうな勢いで聞いてきたので、急いで否定した。
???は「え~」と言いながら、少女に近づくと、顔を覗き込んでニッコリ笑った。
???「可愛らしい方ですねぇ。」
「…”見えない”癖に分かるのかよ。」
???「失礼ですね、”心音”で分かるんですよ。」
「穏やかで心地いいです。」と、ニコニコしながら言っているこいつは視覚障害者だ。
ほら、手に白杖を握っている。
生まれつきのものらしく、聴覚や嗅覚が鋭い。
「ちなみに”伊織”君の心音は、いつか止まればいいと思ってます。」
伊「…俺に死.ねと?」
零「ふふっ、死.んだら解剖(バラ)してあげます。」
伊「…怖ぇ、解剖趣味もいい加減にしろよ、”零”。」
ふふふっ、と笑いながら上手く躱してくる。
でも、こんな会話ができるということは今日は平和な方だ。
零「…取り敢えず、その子は横にさせた方が良いと思いますよ?
疲れているようですからね。」
伊「…まあ、そりゃ疲れるよな。」
そう言って俺は、小さな体をソファーに寝かせた。
零「…で、何があったんですか?」
伊「…色々とな。」
零「へぇ~?教えてくれないんですね。」
ムスッとした顔で、俺を睨み付けてくる。
零「…まあ大体、見当はついてます。」
伊「?」
零「近くで ちょ~っとサイレンが煩かったので。」
そう言って零は、窓の方に目を向けた。
でもすぐに「…で、その子はどうするんですか?」という疑問の視線を向けてきた。(見えてないけど)
伊「…まあ、取り敢えず保護だよな。」
零「…ふぅ~ん。」
そう言って零は立ち上がり、ドアノブに手を掛けた。
零「…そ…ま…じゃ、……り……よ。」
伊「ん?」
零「…いいや、何でもないです。
ではまた。」
…何だったんだ。
零side
外には水の音が響いている。
多分、まだ雨が上がっていないのだろう。
「(…それにしても)」
面白い事になりそうですねぇ。なんて考えながら、先程の相棒の言動を思い出す。
自分は目が不自由だから、全てが分かるわけではないが、いつもより伊織君は何か違っていた。
心拍も、目線も、少女に触れる手付きも、何もかも。
全てが優しく、穏やかなものだった。
零「……まあ精々、後悔しない選択をすることです。」
誰もいない路地に、自分の声が響き渡った。
零「…あれ、明日伊織君、仕事じゃなかったですか?」
じゃあ、僕はお留守番かな
__まだ雨は止みそうにない。
ウェーイ(?) 新キャラだ~。
自己紹介は、次の話に載せます。
コメント
4件
見るの結構遅くなってごめんよおお😭 めっっっっちゃ小説書くのうまいねほんと まじで 読んでて楽しかった!!💓
零さんけっこう好きかもしれない🫶🏻🎀