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「スバルちゃん!」
「、、、」
全力で走ってスバルちゃんのマンションに着き、部屋の前まで来た 不用心にも空いていたドアの鍵を開けた先にいたのは
玄関で倒れているスバルちゃんだった
「スバルちゃん大丈夫!?」
「、、、」
玄関の扉を閉めて靴棚にもたれ掛かるようにしているスバルちゃんに目線を合わせる
「スバルちゃん スバルちゃん!」
揺さぶってみても反応は無い 意識が無いみたい どうしよう 生きてるよね
普段だったら絶対に怒られちゃうけど、緊急事態だから仕方ない
「僕が悪いんじゃないからね」
「、、、」
スバルちゃんの胸に手を当てる トクントクンと心臓の脈打つのが分かって心底安心した
でも意識がないのはおかしい 安心するにはまだ早い
「これ、救急車呼んだ方がいいよね」
倒れてる人間なんてどうしていいのか分からないし、僕に医療の知識は無い 呼ぶなら早く救急車を呼ぼう
判断は早い方がいいとスマホを取り出した時だった
「、、、んぁ?」
スバルちゃんが目を覚ました
「スバルちゃん!!!大丈夫!?」
「ど、どうしたんだよおかゆ」
「どうしたじゃないよ!スバルちゃん倒れてたんだよ!?」
「はぁ?」
あれ?本人が倒れたこと自覚てない? もしかしてただ寝てただけ?
「なんでおかゆはこんなとこにいんだよ」
「そりゃスバルちゃんを驚かせようと思って、、、」
「何しようとしてんだ」
ん〜?なんか元気そう、、、 ほんとに寝てただけ、、、?
「えーっと、なんか元気そうだけど、なんで僕に電話したの?」
「電話?」
「そう、僕にしたでしょ?」
「、、、あー!!!!」
「うわびっくりした」
「そう!スバル急に身体に力入んなくなってさ」
「えっ」
「おわ!やばい!と思ってLINE開いて1番上に電話かけたんだよ!」
「ん〜????」
「1番上にいたのおかゆだったか 迷惑かけてすまん」
「いやいや 身体に力入んないって相当まずいでしょ」
「まぁでも寝たら治ったし」
「いやいやいやいや」
身体に力入らないって相当でしょ 今もあんまり顔色良くないし なんですぐに無理するかなぁ、、、
「あんまり大丈夫そうに見えないけど」
「いやいや大丈夫だって!」
「え〜本当?」
「ほんとだよ!」
そう言ってスバルちゃんは勢いよく立ち上がる
「ほら、もう立てるし、、、んぁ? 」
「スバルちゃん!?」
勢いよく倒れるスバルちゃんを間一髪で抱きとめる
「ちょっと!大丈夫!?」
「お、おう すまん、、、」
「、、、」
おかしい 声と表情はこんな元気そうなのに
もしかして、いやでも、、、うーん、、、
「おかゆ?そろそろ話離して欲しいんだが」
「スバルちゃん」
「ん?」
「術ってかけっぱなしだよね?」
「あー」
「もしかしたらそのせいかもしれない」
「どういうことだ?」
スバルちゃんの表情がコロコロ変わる 今うかべている表情ははてなマークに包まれているけれど
さすがに抱きかかえたままスバルちゃんを持ち上げて行くのは気が引けたので、別の方法に持ち替えることにする
「ちょっとごめんね〜?」
「うわっ!?」
驚くスバルちゃんをお姫様抱っこして寝室へ
ちょっと強引だけど、立てないならしょうがない
「おまっ! 何すんだよ!」
「だってしょうがないじゃん〜?」
「何がだよ!」
今更気づいたけれど、スバルちゃんの声にいつもより覇気がない やっぱり身体が悲鳴を上げてるんだ
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