?「少し話をしないか、com.の姫様」
💚「その呼び方やめろ…、 何?」
無線で直接ゆうたとNo.2は会話をする。
?「俺らの今回の目的は、com.のシマでも情報でも金でもねー。お前だよ。」
💚「——俺、?」
スコープ越しにヴェルデのNo.2を見据えながら、ゆうたは小さく笑った。
💚「それは俺の腕を買ってのこと? それとも——」
?「お前自身が欲しいんだよ」
敵のスナイパーが、ゆうたの質問に答えるように低く囁いた。その声は、無線を通してしっかりゆうたの耳に届いた。
?「お前が『com.』のNo.2だろうと関係ない。俺たちのボスは、お前が欲しいと言っている」
💚「……」
ゆうたの指がトリガーにかかったまま止まる。
💚「つまり、お前らの目的は俺の命じゃなくて——俺を”奪う”こと?」
?「その通り」
男の声は確信に満ちていた。
?「ヴェルデのボスは、お前を俺たちのNo.2に据えるつもりだ。お前の能力、戦闘技術、そして……その存在そのものが欲しいらしい」
💚「——バカじゃないの?」
ゆうたは鼻で笑った。
💚「俺は”com.”のNo.2で、やまとのもの。そんな簡単に裏切るとでも?」
?「どうだろうな。……お前に”選択肢”はないかもしれないぜ」
その言葉と同時に、銃声が響いた——。
❤️「……ヴェルデの狙いは、ゆうただ」
やまとは低く呟いた。
💜「ゆうたを”奪う”ために、この襲撃を仕掛けたってことか?」
ひゅうがが無線越しに問いかける。
❤️「間違いない。奴らのNo.2がわざわざゆうたを狙っている時点で、“狙撃勝負”はただの前座だ。本命は——“誘拐”だ」
やまとは静かに席を立ち、スーツの襟を正した。
❤️「……俺の”姫”を奪おうなんて、いい度胸してるじゃねぇか」
その声には、冷たい怒りが滲んでいた。
❤️「“com.”のボスのモノに手を出したら、どうなるか教えてやる」
💚「チッ……」
ゆうたは低く舌打ちしながら、バレルの横を弾丸がかすめるのを感じた。
💚「このままじゃ、埒が明かないね」
ゆうたは即座にライフルを背負い、倉庫の屋根から飛び降りた。
?「……どこに行く気だ?」
ヴェルデのNo.2が問う。
💚「近くで決着つける」
ゆうたは静かに微笑んだ。
💚「狙撃手同士の勝負も悪くないけど……“殺し”に一番大事なのは、“確実性”だから」
次の瞬間——ゆうたは闇に溶けた。
?「……ッ!」
ヴェルデのNo.2は息を飲む。
?「おい、位置が——」
その瞬間——“静寂”が訪れた。
風が止み、波の音が遠のく。
💚「……俺の勝ちだよ」
耳元に、囁くような声が落ちた。
そして——銃声。
ヴェルデのNo.2は、ゆっくりと膝をついた。
?「……バ、カな……」
💚「言ったでしょ?」
ゆうたはナイフを抜きながら、微かに笑った。
💚「俺は、やまとのものだって」
その瞬間、ヴェルデのNo.2は意識を手放した——。
❤️「……ゆうた、無事か?」
無線から、やまとの低い声が響く。
💚「うん。終わったよ」
❤️「そうか」
短い沈黙の後、やまとの声が少しだけ低くなる。
❤️「……すぐに戻れ」
その声に、ゆうたは微かに息をのんだ。
💚「やまと?」
❤️「……迎えに行く」
その言葉が、妙に胸の奥に響いた。
続く 〉〉〉
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