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私
には妻がいる。
彼女は私の妻であり、同時に財団の職員でもある。
しかし、その事実を知る者は少ない。なぜならば、彼女は普通の人間ではないからだ。
彼女の名はKeterクラスオブジェクト”Safe House”。財団職員専用のシェルターである。
シェルターといっても、別に特別なものではない。ただの一軒家の地下深くに収容しているだけだ。
そもそも、なぜこんなものを造ったのか。それは彼女が普通の人よりも遥かに強い力を持つためだ。彼女は、どんな攻撃からも身を守ることができる。たとえ核ミサイルを撃ち込まれても平気なのだ。
さらに言えば、彼女の体はシェルターの外にあったのです。それはつまり、この災害によって彼女が死んだということを意味しています。
ああ、はい、分かりました。ありがとうございます。失礼いたしました。
星崎研究員:
あの、その、君のお姉さんの名前はなんていうのかな? SCP-912-JP: 名前? 確か……。
『────』です。
星崎研究員:……そうか、やっぱり。
それからしばらく沈黙が続いた後、僕は彼女にこう告げました。
SCP-912-JP: ごめんなさい。もう時間切れみたいなんです。
星崎研究員:
え? SCP-912-JP: 本当はもっと話していたかったけれど、これ以上ここにいると怒られちゃいますから。それじゃあ、またいつか会いましょう。
そこで、彼女との会話は終わりました。
これ以降、彼女は再び現れることはありませんでした。
現在、財団では彼女をSafeクラスに分類しております。しかし、彼女が収容されて以降もSCP-912-JPによると思われる被害が報告されているため、オブジェクトクラスの格上げが検討されているところです。
星崎研究員へのインタビュー記録201■/□/△付箋部分参照 インタビューログ0001-01~03 - 補遺1 日付201■/09/26、SCP-030-KO発生直前
対象:星崎研究員
質問者:
星崎研究員:
は? SCP-912-JP:
なにそれ? 星崎研究員: 君のことだ、SCP-912-JP。
星崎研究員:
えっと、つまり、君が星を取って、それをまた誰かに渡せるってことでいいのかな? SCP-912-JP: まあ、そういうことになるのかな。でも、別に星を取る必要はないよ。僕が欲しいと思ったものをくれればいいだけ。例えば、僕の目の代わりとか。
星崎研究員:
目? SCP-912-JP: ほら、ここに来る時、変なものを見たでしょう? あれは僕の目を通して見た光景だよ。
星崎研究員: じゃあ、あの黒い塊はやっぱり……。
SCP-912-JP:兄ちゃん、どうかしたの?
何か困ってるの? 星崎研究員: あ、ああ、実はちょっとトラブルがあってね。
SCP-912-JP:
そうなんだ……。ねえ、もし良かったら僕の話を聞いてくれないかな? 星崎研究員:
もちろんだとも。聞かせてくれないか? SCP-912-JP: ありがとう! あのね、僕には友達がいるんだ。名前は……。
SCP-912-JPの語った内容は以下の通りです。以下はSCP-912-JPの語りを元に再現したものです。
SCP-912-JPは現在収容されている場所とは別の場所で発見されました。発見された当時、周囲には複数の人間の死体があり、また、同時刻に財団職員数名が失踪するという事件が発生しています。