私
達の住む世界とは別の世界にお住まいの方々ですね。私はそこに行ったことはないのですけれど……いえ、そういう意味で言ったわけではないんです。だってそうでしょう? こんなところにいて、そんなことが起きるはずがないじゃないですか。ただ、あの子達は別世界の方なのでしょうね。それは確かだと思いますよ。えぇ、そうですね。確かに彼らは別の世界で暮らしているのだと思います。だから私とは関係ない存在なんですよ。きっとそうなんでしょうね。でももし彼らが私のことを仲間だと認めてくれるなら……。
インタビューログ15-56-A-0053
付記:以下の記録はDクラス職員を用いた特別任務時のものであり、当該の任務の性質上、記録に残すことは許可されていない。よって音声データは録音されておらず、記録映像からのテキスト化のみが許可されている。
補遺01.SCP-155-JPは現在、日本の岐阜県飛騨山脈にある山間集落において発見されました。発見当初、その集落の住民全員がSCP-155-JPに感染していましたが、全員死亡が確認されました。死因は不明です。
補遺02.scp-155-jp-aに感染、もしくは影響を受けたと思われる人物の調査は難航しており、現在のところ有力な手がかりは見つかっていません。しかし、過去に何らかの接触があったと考えられる人物は存在していました。
以下はその人物に関するインタビューの記録です。
インタビュー対象:エージェント・高橋(以下T)
T「君の名前は?」
SCP-003-JP「私の名前?えっと……」
T「ごめんね、名前を教えてくれるかな」
SCP-003-JP「うーん……あれ、忘れちゃったみたい。でも私はみんなと違って特別な存在だから大丈夫なんだよ!」
T「特別ってどういうことだい?」
SCP-003-JP「他の人よりも頭が良いとか運動が出来るとか、そういう意味の特別だよ!だって私のお兄ちゃんたちなんて全然ダメなんだもん。お勉強も出来ないし、走ることも下手だし、絵も描かないし字も書けないんだもん。それにお外で遊んでてもすぐ疲れたとか言って寝転んじゃうしさぁ、ほんとはそんなこと言ってる場合じゃないんだけどね」
T「そっか。ところで君はどこから来たんだい?」
SCP-003-JP「わかんないけど、ここよりずっと遠くの方だと思うよ。なんか空に浮かんでいる島みたいなところだった気がする。すごく綺麗な場所なんだよ!」
T「そうなんだ。お父さんやお母さんはいないの?」
sscp-jp宇宙人 いない。わたしだけ。みんなは家族みたいだけど、違うと思う。だって、他の子はもうすぐ死ぬって言ってたもん。だから寂しくないよ。それに、お兄ちゃんもいるし。でも、ちょっと怖いな……(ここから先は不明瞭)
インタビューログ15-58-04
付記:T博士の指示によって、以下の部分は検閲済みです。
Scene Player
―――
あの子だ! やっぱり、ぼくを助けてくれた女の子だよ! 間違いない。あの時と同じ目をしている。あの子がぼくを見つけてくれるまで、ずっと待とうと思ってたんだ。
あーあ、また見つかっちゃった。どうして? なんでわかるのかなぁ。
(以下、同じ内容を繰り返す)
インタビューログ15-59-01
付記:T博士の指示によって、以下の部分は検閲済みです。
Scene Player
―――
ああ、なんてことだ。こんなことが起こるなんて信じられない。私は自分の研究を信じていたのに。あんなに努力してきたというのに、全て無駄だったのだ。何もかも水の泡だ。私の人生は何だったというのか。
しかし、私にはまだやり残したことがある。せめて、あの子を救わねばならぬのだ。そうでなければ、私は…………
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!