(どうやって話を切り出そうかな)
廊下を歩きながら考えていると
「おや?テオじゃないか」
「あっ父さん,おはようございます」
「おはよう,何か考え事かい?」
「まぁ,父さんの仕事を手伝いたくて家庭教師を付けて欲しいなって言う…」
「テオ!ありがとう!でもまだはやいかなぁ」
「…そうですか」( ´・ω・`)
「…そんな悲しそうな顔をしないで,母さんと話し合ってみようか」
「…はい」
☆
「マリー,今いいかい?」
「えぇ,大丈夫よ」
「テオが家庭教師を付けたがっているんだが…」
「まぁ!いい事じゃない」
「でもまだはやくないか?」
この歳で家庭教師はさすがにはやかったかな…でも,ハイドさんの手伝いをしてあげたいし…
「う〜ん,そうねぇ…あっ今度テオの5歳の誕生日にパーティーを開きましょう!」
「それはいいけど…💡 ̖́-そこで家庭教師の立候補を募集するわけか」
「そういう事よ,テオもう少し待てるかしら?」
「はい,ありがとうございます」
「…ハイド様,少しよろしいかしら?」
「?あぁ」
「テオこれからお父様とお話をするから部屋に戻ってもらってもいいかしら?」
「はい,分かりました」
☆
「どうしたんだい,マリー?」
「ハイド様は気づかないかしら?」
「……?」
「テオの様子に…」
……確かに,テオはどこか他人行儀な所がある。あらかさまに,僕たちから距離をとろうとしている…
「そうだな,他人行儀な所があるよな」
「…そうなの,メリアにも他の使用人にも私たちにも」
翌日,家庭教師の募集兼誕生日パーティーが行われた
「皆さん,どうもお集まり頂きありがとうございます。ギルダンス家当主ギルダンス・ハイドと申します。今回,我が息子ギルダンス・テオの………………」
…何か緊張してきた。こんなに緊張するのはいつぶりだろう。
「テオ様大丈夫ですか?」
「…まぁ,少し緊張してます」
「こんな大舞台初めてですもんね,緊張するのも無理はありません」
「それでは,我が息子に登場してもらいます」
「…頑張ってください,テオ様!」
「…うん」
ザワザワ
うわぁ,凄いザワついてる。大丈夫かな…
「ご紹介に預かりました,ギルダンス・テオと申します。今回は僕の誕生日パーティーにお越しくださり誠にありがとうございます。短い時間ですが楽しんでいってください」
シーン……
え?なんか変な事言ったかな…
あまりにも会場が静まり返ってるんですが…
👏👏👏👏👏
ホッ良かった,変なことは言ってないみたいだ
「テオ様,素晴らしかったです!」
「ありがとう,メリアさん」
☆
ギルダンス家のパーティーに招かれた。どうやらご子息のテオ様の誕生日パーティーを行う予定みたいだ…王宮で働く身として憧れだったハイド様。そのご子息に一目でもいいから見てみたいと思った…のに
「皆さん,どうもお集まり頂きありがとうございます。ギルダンス家当主ギルダンス・ハイドと申します。今回,我が息子ギルダンス・テオの………………」
ご子息の自慢話が始まった。王宮では威厳たっぷりのハイド様が息子の話になると親バカになる事を知って少しガッカリした。
そしてテオ様が登場し話が始まった……が
「ご紹介に預かりました,ギルダンス・テオと申します。今回は僕の誕生日パーティーにお越しくださり誠にありがとうございます。短い時間ですが楽しんでいってください」
想像以上にしっかりした子だった。登場の際にキチッとした服装,丁寧な言葉遣い,とても5歳児だとは思えなかった。その場にいた全員が静まり返る。会場が静まり返って戸惑っている間に拍手が沸き起こった。安心した感じで舞台袖に戻って行った。
「確か今回のパーティーのもう1つの目的がテオ様の家庭教師の募集でしたね」
そう,今回のパーティーは家庭教師の募集も行っていた。迷わず,僕は募集を受けた。
「初めまして,テオ様。ブラトニー家次男ブラトニー・ユイドと申します」
コメント
0件