【総集編】
投稿が遅くなり申し訳ありません!この先、第一話から第七話までの大まかな出来事を説明します。性格や行動は以前よりしおらしくなっているはずですが、展開に耐えられない場合は回れ右してください!
【登場人物】
折原 大輝
転校当初の四年次に続き五年生になった今も大野と同じクラスに所属している友人。しばしば誤解を生みやすいが根は真面目で面倒見がいい。中学受験のために塾に通っているせいで部活に入ることはなかったが、学力が高く運動もよくできる。将来の夢は父親と同じ医者になること。趣味はサッカー。
小山 要
転校当初は大野の隣の席であり、最初に彼に話しかけたクラスメイトでもある。誰に対しても下の名前に「くん」や「さん」をつけて呼ぶ特徴があり、折原にはよく「人見知り」と評されている。性格は優しく温厚だがしばしば鈍臭く、時に周囲の反感を買いやすいが大野や折原とは仲が良かった。五年生になってからは二人とは別のクラスに所属している。
【これまでのあらすじ】
四年次の春、期待を胸に東京の小学校に転校した大野は折原大輝の率いるグループに迎え入れられることとなった。
活発で要領のいい大野は新たな環境にもすぐに順応し、時に上級生と運動場の一角を求めて争っては流行のトレーディングカードで遊ぶなど日々楽しい生活を送っていた。
(杉山とは暑中見舞いや年賀状を介したやり取りが行われており、清水を去って以来直接会ったことはなかったが、お土産を送り合うといった親交が続いている。)
どの部活にも入らなかった大野は上下関係にも悩まされることもなく平和な時間を過ごしていたが、その裏側では性格を気に入らない取り巻きによる理不尽な当たりの強さに心を悩ます要や、流行り物を買う権利さえも与えられないことを嘆く折原など、それぞれの苦労は人知れず存在していた。
万事順調に見えた大野の新生活も、学力低下の兆しや塾に行くかどうかなどの「勉強に対する考え方の違い」から密かに不穏な思いを抱く機会もあったのである。
(この時点で大野はどこにも入塾しておらず、夏期講習や冬季講習にも一切参加していない)
五年生になると大野は折原とは同じクラスになれたものの、要を含む親交を深めた多くのクラスメイトとは別々のクラスになってしまう。
新学期早々の実力テスト(国語のみ)では初対面の文章に対峙するという未曾有の事態に苦悶し、運動会で新たに企画されたクラス対抗の大縄大会では練習の方針に対する衝突からクラスメイトと険悪になるが、大野にはそれよりもはるかに重大な危機が迫っていた。
最低限の努力を除いては遊んでばかりでいた堕落した生活態度がたたり、学力の低下が致命的な問題として立ちはだかったのである。
勉強のことで母親と対立してはその顛末と不満を友人たちに話す大野だったが、それを聞いた一人である折原は困惑し「自分だったら絶対にありえない」とこぼす。
その問題は算数に関してはとりわけ顕著に見られ、授業で当てられても答えられない自分に内心焦りつつも、大野は他のクラスメイトからの同情を糧に「自分はまだ大丈夫だ」とたかを括ってはどうにか安心しようとしていた。
しかし、事態が急変したのは七月のある日のことであった。
休み時間さえも机に向かう機会が増えた折原とは話す機会が減っていたものの、その日の大野は数人のクラスメイトを交えて「将来の夢」について話していた。
互いの夢を讃えながら、その一環として大野も例外なく自身の夢(杉山と共に船乗りになって世界中をまわる)を語るも、折原を始めとしたその場にいた全員に「お前なんかがなれるわけがない」と激しく否定されてしまったのである。
信じていたクラスメイトの変貌と、その主張に言い返す余地のなかった自身に失望し、自らを「裏切り者」と評した大野は酷く落ち込むと、遠く離れた親友のことを思った。
それ以前からも積み重なる憂鬱に日々自己嫌悪を募らせていた大野であったが、このままでは杉山に顔向けできないと考えた結果、船乗りを否定する根拠として大半を占めていた「学力の低さ」を解消するべく母親の「夏季講座に行くべきだ」という提案を受け入れるのだった。
すれ違いを重ねていた母親と和解し、久しぶりに家族三人で幸せな時間を過ごした大野だったが、ただ一つ「折原大輝の変貌」にだけは納得できていなかった。
“そんな口先だけの夢物語、叶うわけないって言ってるんだよ!”
強い決意と衝撃の狭間で揺れる心を前に、二度目の夏は着々と近づいているのだった。
【注意点】
第一話にも載せたことですが、念の為もう一度記載しておきます。
●含まれるもの
・大野けんいち弱らせ
・時間操作(登場人物が進級します)
・映画「大野君と杉山君」での出来事
また見つけ次第訂正しておりますが、誤字脱字や設定のミスが見受けられる場合があります。初投稿なので読みにくいかもしれませんが、よければお楽しみください!!
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