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「う、うぇ……ひっく」
「瑞希」
「っく、ずびっ」
「――おい、瑞希」
「うわああんっ、よかったねええっ」
込み上げる感動がそのまま大粒の涙となって溢れていく。
それを見た総一朗が、どこか呆れた顔でボックスティッシュを差し出した。
「……ほら。鼻水垂れてるぞ」
親切な彼の手からティッシュを抜き取った。
両手で添えて、鼻をかむ。
「ぶぇっ」
「『ぶぇっ』って。お前……よくこんなベタな内容でそこまで泣けるな……」
ソファを背もたれにして、ラグマットに片膝を立てた彼が、心底理解できないといった表情で私を見た。
ずっと観たかったラブストーリーを鑑賞し終えたばかりの私は、驚愕の表情を浮かべた。
「これに感動しないなんて……あんた心が荒んでるんじゃないの?」
彼の部屋の大きなテレビ画面には、エンドロールが映し出されていた。
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