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『ようこそおいでくださいました、的場組長』
『こちらこそ、いつもありがとうございます義堂(ぎどう)組長』ここは姫路、白鷺組の会議室、今日はここで白鷺組と的場組の会合が行われる。
『福舟組の様子はどうです?』『それが最近、小野市にヤサを作ったようで、日々緊張状態が続いています』そう答えるのは的場組の若頭、縄島秀逸(なわしまひでいつ)だった。
『そうですか、では儂らから武闘派を一人そちらへ向かわそう、上杉よ行ってくれるか?』『承知しましたおやっさん』そうして上杉は的場組長達と共に的場組へ向かった。
『おかえりなさいませ!』そう言い出迎えたのは武闘派の樽岡と浦。
『出迎えご苦労、福舟組の様子はどうだ?』『問題ありま…』浦が話そうとしたその時だった。
『福舟組だ!加古川は明け渡してもらおうか!』そう言いドアを蹴破って入ってきたのは、赤井、命尾と早水口、そして舎弟の荻だった。
『来やがったな!俺が相手だ福舟組!』そう言い前に飛び出したのは的場組一の武闘派の樽岡だった。
『命尾!樽岡の相手を頼めるか?』『あまり期待しないでくださいよ?』『足止めするだけで十分だ!荻も命尾を手伝え!早水口は浦の相手を頼む!』そう言い赤井は的場に向かって走り出す。
『お守りします親父』そう言い縄島はドスとチャカを構え赤井を迎え撃とうとする。
『縄島さん、お下がりください、ここは私が』『上杉さん!では…お願いします』そう言い縄島は的場を連れて逃走した。
(おいおい嘘だろ!?白鷺組の上杉!?)赤井は戸惑いながらも上杉に向かってチャカを放つ。
『精度は良いが、この上杉を捉えることはできん』そう言い上杉は弾丸を躱し、赤井に接近する。
(マズイ!奴の攻撃範囲だ!)一瞬の判断で赤井はバックステップ、それと同時に上杉は横一文字に刀を振るった。
(危ねぇ斬られるところだった)それでも赤井はチャカで牽制しながら徐々に距離を詰めていく。
(今なら通る!)上杉は隙をついて刀を振り下ろす。
『トリャァ!』赤井はそれをバク転で躱し、その勢いでドスを振るう。
その一太刀は上杉の肩を掠めた。
(あの状況からバク転、噂通りしなやかな動きだな)(まずは一発!この調子なら!)赤井は近くにあっあ棚の上に飛びのりチャカを乱射する。
(躱したところを突っ込んで斬る!)そうして赤井は棚の上から上杉へと突っ込む。
しかし、既に上杉は居合の体勢だった。
(マズイ!躱せるか!?)赤井はなんとか体を捻らせそれを躱わす。
(おい!嘘だろ!?まだ続くのかよ!)そうして上杉は続け様に袈裟斬りを放つ。
『ギリギリ回避ィ!』しかし、それをも赤井は避けてみせる。
『3度目はどうかな?』そう言い上杉が放ったのは燕返しだった。
(マズイ!体勢が…)赤井はなんとか躱そうとするもモロに喰らってしまった。
一方、早水口は〜
(浦浜富(うらはまと)、毒剣の使い手だったな、気をつけねぇと!)次の瞬間、浦が早水口に飛びかかる。
『死んどけやぁ!早水口!』『遅いな!』早水口はそれを避けてリボルバーを放つ。
それは浦の肩を貫通した。
(クソッ!こうなったら突撃するしかねぇ!)そうして浦は早水口へと駆け出す。
(捨て身の特攻!一度でも喰らうとマズイ!)早水口は浦の突きを間一髪躱わす。
『もらったぁ!』早水口は躱し際に一発チャカを放つ。
『ゴフッ!』(腹を貫通した!)続け様に早水口はドスを振り下ろす。
浦はそれを受けようとするも、間に合わず、腹を斬られて倒れてしまった。
(なんとか完封できた!命尾の兄貴は無事か?)一方、命尾と荻は樽岡に苦戦を強いられていた。
(流石組一の武闘派だ、相当強いな)命尾は持ち味のスピードで樽岡を潰しにかかる。
『速いな!だがそんなもん効かねぇ!』樽岡は命尾にウォーハンマーを振り下ろす。
(重量のある武器をこの速度で振り回すか!?)命尾はギリギリでそれを避ける。
『命尾の兄貴に触れるんじゃねえ!』次の瞬間、樽岡に対し、荻は鉄製バットを振り回す。
『バットか、良いセンスしてんなぁ!』そう言い樽岡はウォーハンマーで荻の鉄製バットを弾き飛ばす。
『終わりだ!』直後、樽岡のウォーハンマーが荻の腹に直撃する。
『ゴフッ!』荻は激しく吐血し、地面を転がる。
『荻!大丈夫か…』『よそ見すんなぁ!』命尾は荻を助けに行こうとするがそれを樽岡が妨害する。
『切り裂いてやるよ!樽岡ァ!』そう言い命尾は手甲剣を振るう。
しかし、樽岡はウォーハンマーで命尾の手甲剣を砕いた。
『お前も終わりだ!命尾!』樽岡が命尾にウォーハンマーを振り下ろそうとしたその時だった。
『あっ、ここでやりあってたのか〜、お!ボロボロの荻見っけ〜!へ〜、樽岡じゃーん』そう言いその男は背負っていた高枝切りを構える。
『窯場(かまば)の兄貴!来てくれたんすね!』『可愛い後輩ちゃんたちが戦ってる中、自分だけ高みの見物ってのはちょっとね〜』そう言うと窯場は高枝切りを構えたまま、樽岡の方へと走り始めた。
『させるかよ!』樽岡はウォーハンマーを振り回して窯場の横腹にぶつける。
窯場はその衝撃で少し地面を転がったが、すぐに立ち直る。
『ゴフッ!痛いなぁ…!』そうして、また窯場は樽岡の方へと走り始めた。
(窯場金正(かまばかなまさ)、どんな得物を使うかは聞いたことがなかったが、もしやお前!)次の瞬間、窯場は高枝切りで樽岡を連続で挟みにかかる。
『おいおい!マジでそれが武器かよ!』樽岡は命尾の時と同じように、窯場の高枝切りにウォーハンマーを当てようとする。
『遅いなぁ!』窯場はそれを躱し、樽岡にカウンターを命中させる。
(ドスでもねぇのになんちゅう精度だよ)樽岡は窯場の高枝切りを警戒しながら徐々に距離を詰める。
(今だ!)そう確信した樽岡は勢いよくウォーハンマーを振り上げる。
『遅い遅い!チョッキーン!』しかし窯場はそれを避けて、高枝斬りで樽岡の胴体を挟み切った。
『ガハァ!』(ダメだ、臓腑に届きやがった…)そうして浦に引き続き樽岡もとうとうその場に崩れ落ちてしまった。
『さーて!この調子で赤井くんも助けにいこーっと!』窯場がそう呟いた瞬間だった、『ゴフッ!』(赤井くん…?)窯場が視線を向けた先、そこには激しく吐血する血塗れの赤井の姿があった。
『止めだ、赤井登星』そう言い上杉は一歩ずつ赤井に近づく。
『赤井の兄貴に近づくんじゃねぇ!』咄嗟に命尾がチャカで上杉を牽制、しかし、上杉はそれを全て避ける。
そうして上杉の刃が赤井に届きそうになったその時だった。
『させないよーん』上杉の背後に窯場が颯爽と現れ、高枝切りで上杉を挟もうとする。
しかし、それをも上杉は回避する。
そしてさらに、上杉は回避する時に窯場にカウンターを入れた。
(なんて技術だよ)窯場の表情が少し真剣になる。
『腕チョッキーン!』『遅いな』そしてまたしても窯場の攻撃は上杉に当たらなかった。
(天王寺組の陣内と互角以上の実力があるな、しかも、アイツはパワー型だったのに対してコイツはディフェンス型、やりにくいねぇ)窯場は過去の経験を振り返りながらなんとか勝機を生み出そうとする。
(ダメだな…コイツは打ち破れねぇ、引くしかねぇな)そう思った窯場は赤井の方へと走り、赤井を背負う。
『命尾!荻を背負え!逃げるぞ!早水口、お前もだ!』窯場の判断により、五人は逃亡することに成功した。
しかし、今回の的場組との抗争で福舟組は白鷺組とも戦うことになる。
この抗争が兵庫の三大勢力が競い合うきっかけになるのであった。
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