テラーノベル
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銀さんと赤ちゃんをホワイトとXに任せ、すまない先生はまた、この前と同じ時間に、白い部屋へと飛ばされる。
そして、チェストの中には、剣とエンチャント付きの黄金リンゴ、“不死のトーテム”
すまない先生はグラグラする頭を抑え、ドアを開けた。
✵✵✵✵✵✵
「・・・ッ」
すまない先生はその張り詰めた空気に思わず震えた。目の前には、怪盗兄弟と名高い双子。
レッドとブルーが立っていた。
そして、2人は弓矢とナイフを構える。完全に戦闘態勢だ。
すまない先生は意を決して、剣を向け、突っ込む。
そのすまない先生の剣をレッドはナイフで受け止める。
すまない先生は頭を後ろに下げる。下げた瞬間、矢が飛んできた。下げなかったら、脳天貫いていたであろうその矢はブルーが放った矢だ。
(さすが双子だね・・・コンビネーションバッチリ・・・!これはちょっと不味いな・・・)
すまない先生は双子の攻撃を避けつつ、紫の宝石を壊そうと試みる。
だが、ブルーの矢が飛んできた。
すまない先生は腕で受け止める。矢はすまない先生の腕を貫いた。
「ぐっ・・・!」
その隙を狙って、レッドはすまない先生のみぞおちを思いっきり蹴り上げた。
すまない先生はそのまま地面に転がる。
「ゲホッ・・・ゴホッ・・・!」
ボタボタ口から血が溢れる。すまない先生は痛みに顔を顰める。
そして、エンチャントの金のリンゴを齧った。エンチャント付きの金のリンゴは満腹度回復、再生能力や衝撃吸収、耐性。そして“火炎耐性”が付く。
すまない先生は剣を構え、突っ込む。すると、レッドが炎を飛ばしてきた。だが、すまない先生は臆せず炎の中を突っ込む。
あまりの無謀な行動に、レッドは目を丸くした。その隙を付き、すまない先生はレッドの武器の紫色の宝石を砕いた。
砕いた途端、レッドは意識を失い、倒れた。
レッドが倒れたことに、ブルーも目を丸くし、動きが止まる。その隙を狙い、すまない先生はブルーの宝石も砕いた。
そして、ブルーもそのまま倒れ、気絶した。
✵✵✵✵✵
「・・・ヒュッ・・・ヒュゥ・・・ヒュゥ・・・」
呼吸が可笑しい。息が、上手くできない。・・・呼吸って、どうするんだっけ?
すまない先生は黒くなっていく視界の中、ブルーたちの元に駆け寄ろうとした。だが、途中で力尽き、そのまま倒れた。
✵✵✵✵✵
「・・・おいおい、ここで“お前”が倒れたら俺の計画パァじゃねぇかよ」
と、声が聞こえた。真っ白な空間に、1人の青年が現れた。
「ったく、ほんと“オリジナル”は体が弱いんだな・・・」
パチンッと指を鳴らした。レッドとブルーのところにテレポートの陣が。
レッドとブルーはそのテレポートの陣の中へ入り、姿を消した。
「よっこいせ」
青年はすまない先生を抱え、その場から立ち去った。
✵✵✵✵✵
学校では、すまない先生の帰りを待ちながら、何があったのか。全てエックスから聞いた銀さんたち。
「・・・そんな、俺たち・・・すまない先生に酷いことを・・・」
「操られていたからな。仕方ない」
「・・・エックス様も生徒の魂奪ったことありますしね」
ホワイトがボソッとこぼした言葉に、エックスは無言でホワイトを殴った。
すると、外から音が聞こえ。銀さんたちは駆け出した。
「レッド!ブルー!!」
そこには、レッドとブルーが倒れていた。少し怪我はしているが、大怪我はしていない。銀さんと赤ちゃんはホッとし、ふと、気がついた。
「・・・すまない先生は?」
・・・すまない先生の姿が、そこにはどこにもなかった。
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