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ワンコ(みたいな)お兄さんが何を考えていたのかは結局分からなかったけど嵐のような人だったなと思いながらコップを片付けていく

この離れには広くはないが厨がある。全力で掃除したので壁やコンロ部分は綺麗なのだがそこにある食器がどうにも使えそうなのが少ない。使えるのはコップ2~3個に皿1つ

ある物は禍々しい黒い炭のようなものがこびり付いていたりヒビが入っていたりとなかなか酷いことになっている。

自炊はできるけれど食材も食器もないし、かと言って燭台切光忠さんが来るのを待とうにもいつ来れるか分からないので

「食材と食器を手に入れよう」

しばらくの目標はこれだ。生きる為に全力を尽くそう


「とは言ってもどうしようか」

まずこの本丸から出られる状況なのかと言われたらそうでもなさそうなのだ。ゲートはここの主さんが封じてしまったらしく、まともに外には出れない。

結局何もできず、布団に潜って一日を終える

そんな時ふと現世の事を思い出した。

いきなり連れてこられてそのまま部屋の掃除もしていないしレポートも出していない。

もし今帰ったとしても待っているのは汚い部屋に説教と不健康な生活だ

(それならここに住む方がマシか…)

でも少し寂しくも思う。

私は両親を亡くしていて毎年花を買いに花屋に行くのだが、そこの店長さんとバイトの子とはかなり気が合ってそれなりに楽しく日々を過ごしていた

他にも少なくはあるが大切な友人の事を考えたりして少し涙が出てしまった。

らしくない事はやめようと目元をゴシゴシと拭いて目を閉じてそのまま私は眠りについた。


「…見る限り悪い人間ではないみたいだよ本当に」

「だからと言って信用はできないだろう」

「お前はあの人間を庇うのか」

「でもあの子は…」

「もうやめい」

1人の刀剣が話を遮っていく。

「あまり情をかけるのはやめておけよ燭台切光忠。またあのような日々を送りたいと思うのか」

「そういう訳では…」

拳を握り締めて下に俯く。

確かにもうあの日々を味わいたくはない。日に日に増えていく暴力や暴言、夜伽まで様々な事を受けた。蔵に閉じ込められて何日も出される事がなかった事もあれば気に食わないと目の前で仲間を刀解された。

「…っ」

確かに怖い。またあの人間がそれを繰り返してしまうのではないかと思ってしまう。

だけど、だけど、

「それでも僕はあの子を信じたい」

「僕の作ったご飯を食べて美味しいと優しく笑ってくれたあの子を信じたいんだ」

そして今の主を、変わってしまったあの人を助けたい

女子高校生、巻き込まれる

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