コメント
2件
これは、めめあべの匂いがする…😦
阿部side
つまらない。毎日同じことの繰り返し。
結局、人生って同じことを繰り返してれば安全に生きられる。
阿部side
俺はもう、優等生でいるのは嫌だ。
でも、優等生でいなければいけない。
親の期待を背負っている限り。
ある日、先生に怒られた。
問題が答えられなかった。
でも、親の耳に入るはずがなかった。
あんな小さなことで先生は親に報告をしない。
でも、家に帰った途端、
パンッッッ
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
でも、一瞬の後、理解した。
頬が痛む。
俺は今、玄関で待ち構えていた親に、父親に頬を叩かれたのだ。
ズキズキと痛む頬に手を添える。
親の耳に入ったというのか。あんな小さなことでも、報告するのか。
俺は腹が立って仕方がなかった。
でも、この行き場のない怒りを鎮めるためには、何をしたらいいか分からなかった。
部屋に戻ると、俺は何かに擦ったのか手の甲に傷が付いていた。
その傷からは少しだけだけど赤黒い血が流れていた。
俺は勉強机の椅子に座った。
机には、学校で使う用の切られたダンボールと切った時に使ったカッターが置いてあった。
俺は、衝動的にそのカッターを手にした
そして、左手の手首に当てると、弱い力でスーッと手首を切った。
少し痛みが走ったが、すぐにもっともっとと体が求める。
俺は、何回も何回も左手首をカッターで切った。
そのうち、段々と意識が遠のいてきた。
さすがにやばいと思い、手を止めると、それまで感じてこなかった激痛が走る。
それと同時に頭がクラクラしてくる。
そのまま、一眠りしようとベッドに移動すると、倒れ込むようにベッドに寝転び、そのまま、死んだように眠り続けた。
阿部side
そこから、俺の左手首を傷つける行為は習慣化していった。
ある日、外の空気を吸おうと家の外に出た。
外に出た際、空には昼間の青空はもうなかった。
その代わり、このまま家々を飲み込んでいきそうな深い紺色の夜空があった。
そのまま俺の足は自然と学校に向かっていた。
学校に着いた時はもう学校は夜の学校と化していた。
夜の学校ごと飲み込んでいきそうな夜空。
俺は、今まで、カッターで左手首を傷つける行為で収めていた怒りがここでまたぶり返してきた。
その怒りはいつしか水となって俺の目から溢れていった。
深澤side
阿部……
俺が見たことの無い阿部の姿は、涙を流している阿部の姿だ。
「阿部ちゃん……?」
「うわあッッ!?」
つい、俺は大声を出してしまった。
俺の後ろにいた人物の声に驚いたから。
その人物とは、
「目黒……!?」
そう、あの、漫画を届けた目黒蓮だった。
その時、俺の大声が聞こえたのか、阿部がこちらを向いた。
そして驚いたように目を見開いて、俺らとは逆の方向に走っていった。
「阿部ちゃん……!」
それを追いかける目黒。
そして俺も追いかける。
阿部side
俺自身の荒い息が聞こえる。
久しぶりにこんなに走った。
追いかけてこないだろう。そう思って道端に座り込む。
息を整えていると、やっぱり苦しくなって目から水が溢れてくる。
大声を出して叫びたい。
でも、人がチラホラ見える。
車も走っている。
大声で叫ぶなんて出来やしない。
「阿部ちゃん!!!/阿部!!!」
名前を呼ばれた瞬間、反射的に体が声をした方を見る。
そこには、追いかけてきたのか、深澤と目黒がいた。
追いかけてこない。そう思ったのが間違いだった。
「阿部、どうしたんだよ…」
「阿部ちゃん……」
お前らに答える義理はない。
そう思って立ち去ろうとすると、腕を掴まれる。
「教えて」
目黒が俺の腕を掴み、そう言った。
「……いやだ」
でも、目黒の力には敵わない。
ズルズルと引きずられるようにどこかへ連れていかれた。