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心臓がバクバクとしっぱなしで、いい加減妄想が止まらなくなっていると、
「…ん…三ッ塚さん……」
唐突に、彼から名前を呼ばれた。
「なっ、なな、なんでしょうか?」
動揺のあまりどもり気味になる私に、彼が続けて口にしたことに、
今度こそ、心臓は破裂でもするんじゃないかと思った──。
「……手を、握ってもいいか?」
手すりに置いていた手に、不意に彼の手が重ねられて、
「あっ……!」
と、声が漏れる。
「あっ、あの、どうして……」
手すりの上で重ね合わされた手から目を離すこともできずに、ようやくそれだけを口に出すと、
「……君に、触れていたい」
再び、思いもしない一言が返った──。