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「蓮水さん……また、酔われているんですよね?」
きっとこないだみたいに酔っているのに違いないと、顔を覗き込んで確かめてみた私は、
「……酔ったことに、しておく……」
彼の答えに、思わず耳を疑った──。
「……それって、どういう……」
握られた手をじっと見つめて、呆然と口にする。
「……そのままの意味だ」
「……そのまま、って……」
その言葉は、一体どう受け止めればいいんだろうと……。
彼は、酔ったふりをしているのか、それとも本当には酔っているのか、言葉の真意は何もわからなくて……。
握られた手が、じんと熱を持って、
「……手、熱いです……」
そう呟いてみるけれど、
「……うん」
と、やっぱりどういう思いでいれるのかは知れない返事が、彼からは一言戻っただけだった……。