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🌸「飲めば良いんでしょう、」
…いやいや、おれは何を言っているんだ。
いくらこの話を終わらせたいとはいえ、相手の思い通りにするなんて…。
彼の言い回しは上手い。
気付いたら言わせている、そんな感じだ。
この件に関しては、おれの負けを認めるしかないのだろう。
🌟「おぉ、やっとその気になった?笑
はいこれ。やっぱりやめるとかは無しだから。」
🌸「…。」
🌟「あ、もちろんそれは僕のだから、代金は僕が払うよ。それと、僕はもうそのお酒は充分だから全部飲みな?笑」
もう、逃げることはできない。
諦めて覚悟を決める。
おれはそのお酒を一気に口に含み、飲み込んだ。
🌸「…うぇ、」
やっぱり、不味いものは不味い。
お酒に強い人からすると、これは美味しいのだろうけど。
🌟「あははっ、笑、君最高だよ、笑」
愉快そうに笑う彼の姿は、本当に心の底から笑っているように見えた。
🌸「…、ぁ、」
身体が熱い。頭がクラクラする。
鏡を見なくても、おれの顔が赤くなっていることは分かる。
店長「…え、ちょっと待って大丈夫!?」
🌟「多分大丈夫ですよ、彼は弱くないんで」
店長「もしかして、お酒飲んじゃったの、?」
🌸「…、。」
おれは小さく縦に首を振った。
この状況は流石にやばい、頭が全く回らない。
店長「…とりあえず、今日は帰って。そして家でゆっくり休むこと。」
🌸「…はぃ、。」
おれは力無く返事をし、帰る支度をしに行った。
荷物は必要最低限しか持ってきていないから、人より少ないけど。
そして準備が終わり、お店を出た。
🌟「…僕が家まで送るよ。」
お店の外でおれを待っていたのは、彼だった。
何されるか分からない。
下手すると殺されるのかもしれない。
だけど、今のおれは正しい判断ができない。
🌸「…ぇ、いいの、?」
🌟「もちろん。」
彼はおれに手を差し伸べる。
おれはその自分よりも大きな手を、自然ととっていた。
でも、いくらおれが酔っていても、普通は敵と一緒に行動するなんて抵抗するはず。
だけど、不思議な感覚で、彼と一緒に居ていたいと心の中で思ってしまっていた。
🌟「…酔ってる姿も可愛いよ。」
彼はおれの顎に片手を添えて少し上にあげ、顔を近づけた。
おれは思わず目を瞑った。
…だけど、何かが起きるということは無かった。
少しして、恐る恐る目を開こうとしたが、いつもなら簡単に持ち上げられる瞼が、持ち上がらないほどにおれは酔っていたみたい。
結局おれは目を開くことはできなかった。
最後に聞こえたのは、そんな銃声だった。