少女レイパロっぽいやつ。
k先輩視点。
3話に上げたやつとは別世界線。
あの日は体育祭帰りだった。晴天の中、太陽が眩しくて、ギラギラと燃ゆる夏の日だ。
僕らはいつものようにはしゃいで、笑って、最高の気分だった。だったんだ。
あいつが女の子の身代わりとなり、車に轢かれたのだから。
あいつは死ぬ時まで”ヒーロー”だったんだ。
目の目には怯える少女と、跳ねられたあいつがいた。その衝撃に、僕はその場に立ち止まっていた。いや、動けなかったんだ。
救急車に運ばれていく様が信じられなくて。いつものように「冗談だよ!」って笑ってくれると思ってたから。
でも、mは死んだ。
一年経った今も嫌と言うほど思い出す。
あの輝かしい笑顔が似合う君。汗が輝く姿も眩しいことも。身長が高いことも。身体つきが他の人よりゴツいことも。日に焼けたちょっと茶色っぽい肌色も。
全部全部頭の中を飽和し続けていて。繰り返す。あの夏の出来事を。
でも、2度とは帰らぬ君。
山を目の前にして、眩しい太陽が僕らを照らし、鳥の囀りだけが聞こえるこの場所で。
永遠とちぎれていくせっかくお揃いにしたキーホルダーも。
夏の暑さが消し去っていく。君がいたという証拠全てを。
もういないことくらい理解している。でもでも、それでも。
まだ君が魂としてこの世に留まり続けているのなら。
お願いだから。無理だとはわかってるけれど。
僕を救ってくれた”ヒーロー”に取り憑かれてしまいたい。
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