テラーノベル
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予想はしてたけど、チャイムを鳴らしても一向に応答がない。
仕方ないのでオートロックを解除して、蓮の号室に向かう。
中のチャイムも念の為鳴らしてみたけど、出る気配はなかった。
マネージャーと頷き合って、合鍵を使って蓮の家に入る。
玄関を開けて最初に聞こえたのは、ワンッワンッと鋭く吠えるモコちゃんの声。こんな風に吠える子じゃない。
その声を辿って急いで中に入ると、目に飛び込んで来た光景に息を呑んだ。
リビングの床に倒れ伏した蓮の姿。その顔は青白いのを通り越して紙みたいに白くて。ぴくりとも動かないその様子に血の気が引いていく。
「れ、ん…? 蓮、蓮っ?!」
固まりそうな足を何とか動かして、蓮の側に駆け寄る。
急いで呼吸を確認すると、弱くはあるけど息はしていて。少しだけ安心しながら、何度も声をかけた。
マネージャーは救急車を呼んだ後、事務所に連絡すると言ってリビングがら出ていった。
「蓮、蓮っ?! なあ、蓮ってば! お願いだから起きてくれよ…っ!!」
揺さぶらないように気を付けながら、蓮の背中に手を当てる。弱々しい脈拍と呼吸が恐ろしくて堪らなくて、あの日以来、久し振りにぽろぽろと涙が溢れてきた。
「やだ、やだよ…っ! 蓮っ!! 俺のこと、置いてかないでよ…っ!!」
「……ん…さく、ま…くん…?」
微かな俺を呼ぶ声と共に、薄っすらと蓮の目が開く。ぼんやりとしながらも視線は俺のことを捉えて、ゆっくりと右手が伸ばされた。
「…泣い、て…る、の…?」
「蓮、蓮…っ」
「…泣き顔、でも…最後に会え、て…よか…た…」
「最後とか言うなよっ! 蓮がいなきゃ、やだよっ…蓮がいないと俺が生きていけない…っ!!」
「ふは…嘘…で、も…嬉しい…」
「…っ!!」
悲しそうな蓮の微笑みに、呼吸が止まるかと思った。
蓮はもう、俺からの想いを諦めてる。自分が一方的に想い続けてるって思ってるんだ。
俺だって、まだこんなに好きなのに。
蓮じゃない人に恋なんて出来ないのに。
でも、そう思わせたのは俺だ。
蓮の瞼が再び閉じられて、モコちゃんが小さく寂しそうな声で鳴いた。
「…ごめんね、蓮…ごめんなさい…こんなに深く想ってくれてたのに…っ」
気付かなかった自分が情けなくて仕方ない。
ぼろぼろ溢れて止まらない涙をそのままに、救急車が到着するまで蓮の手を握り続けていた。
コメント
2件
ふぇぇ。゚(゚∩´﹏`∩゚)゚。めちゃくちゃ辛いけど引き込まれる…。ラストまで楽しみにしています!
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