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壱馬Side



『帰ってきてたんやったら言ってや…びっくりしたわ。』

「いや、俺もびっくりですよ。帰ってきたらなんかリビングから壱馬さんの声ボソボソ聞こえるんですもん。」



「しかも覗いてみたらめっちゃ可愛いこと言ってたんで、」



『っ!』



その言葉で思い出す。



そういえば先程すごく聞かれたくないことを色々発した様な気がする。



『っ、ちょ、まて。どこから聞いてた?』



「え?どこからって…”はよ帰ってきてくれへ」



『わああああ!やっぱええから!ってかそんなとこからおったん?!』



にこにこしながら”あれ、そうですか?”と言う慎に、これ後からめっちゃいじられるやつや、と虚しくなる。



「いやー、意外ですね。あの壱馬さんがおれの写真見て寂しいって笑」



『…っるさい、』



もう無理、俺生きていかれへん。



顔を上げているのにさえ限界が来て、いつもよりひどく冷たい机に伏せる。…正確には俺の顔が熱いだけやけど。



すると、ぽん、と頭に乗せられた手。

思わずビクッと肩を揺らす。



「…俺は寂しかったっすよ。早く会いたくて仕方なかったです。」



『え?』



ガバッと顔を上げると、ちょっとだけ恥ずかしそうにはにかむ慎の顔があった。



「壱馬さんは寂しくなかったんですか?」



ずるい、ずるすぎる、



『っ、寂しかったに決まってるやんか!』



そう言いながら飛びつく。



うお、って言いながらもちゃんと支えてくれるのが嬉しくて。



久しぶりに撫でられる頭に思わず頬が緩む。



「壱馬さん、俺帰ってきたんすから、1番最初に言うことないんですか?」



『あは、慎、おかえり!』



ぎゅうと強く抱きしめた。



(あれ、そう言えば慎っていつから俺のこと好きなん?)



(あー…まぁいいじゃないですか。)



(えぇ、教えてや。俺より前なんやろ?)



((…一目惚れとか言えねぇ。))



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