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日帝視点
日帝「すごい・・・!これがキリスト教の建造物なのか・・・!」
美しく、神聖的な雰囲気の漂う場所、教会だ。私は仏教の国なので初めて来る。硝子窓には品のある絵が描かれており、惚れ惚れする代物だ。
日帝「キリスト教は先輩やイタ王、他にも英国殿や、オランダも信仰しているからな・・・。」
私の周りにはキリスト教を信仰している者も少なくはない。少しは知っておく必要もあるだろう。
日帝「・・・これは、女性の銅像か?」
外からの朝日に照らされた女性が居る。まるで愛し子を見つめるような、穏やかな目だ。その目の中には子を守り育てる母親の強さも現れている。
??「これは聖母マリアの像ですよ。」
ふいに後ろから話しかけられる。
日帝「えっ、だ、誰だ?」
??「はじめまして、大日本帝国様。私はバチカン市国。カトリックの総本山の様な国です。」
日帝「カ、カトリック・・・?」
バチカン市国「おや、ご存知でないのですね。キリスト教は主に3つの宗派に分かれています。」
バチカン市国「1つ目はカトリック。フランスやイタリアなどのラテン系の国家が当てはまります。2つ目はプロテスタント。イギリスやオランダ、ドイツなどのゲルマン系の国々ですね。最後は正教会。ロシアやポーランドといったスラヴ系の国々です。」
日帝「な、なるほど・・・」
バチカン市国「イタリア王国から、『日帝ちゃんが一人で教会に行ってみるらしいけど、困っていたら助けてあげて』と言われておりまして。」
日帝「イ、イタ王から・・・!?」
バチカン市国「はい」
まさかイタ王に心配をかけるなんて思わなかった・・・。
日帝「そ、それで・・・。随分と独特な格好だな・・・。」
バチカン市国「えぇ、私は神父ですので。」
日帝「し、神父!?」
教会中に私の素っ頓狂な声が響く。あっ、と我に返り、少し決まりが悪くなってしまった。声が響かないように、小声で話しかける。
日帝「そ、その、忙しいんじゃないのか?信者もいるだろうし・・・。わざわざ私の心配なんてしなくても・・・。」
バチカン市国「大丈夫ですよ。今は午前中、信者の皆さんは午後に来ることが多いので。」
日帝「へ〜・・・」
バチカン市国「キリスト教に興味がお有りですか?」
日帝「あぁ、私の周りにはキリスト教信者が多いからな。」
バチカン市国「なるほど、私で良ければお教えしますよ。・・・ですが、私は牧師では無いので、カトリックが中心になりますが・・・。」
日帝「?神父と牧師は違うのか?」
バチカン市国「えぇ、神父がカトリックの聖職者、牧師はプロテスタントの聖職者です。8割方同じですが、少しの違いがあるんですよね。」
日帝「例えば?」
バチカン市国「神を称える歌ですかね。我々カトリック教徒は聖歌を歌うのですが、プロテスタント教徒は賛美歌を歌います。」
日帝「・・・あんまり違わないな」
バチカン市国「えぇ、大した違いはありません。」
流石神父様と言ったところだろうか、キリスト教に関する知識が豊富だ。
MOB『神父様!』
バチカン市国「!どうかなさいましたか?」
MOB『そ、それが・・・ご相談があって・・・。』
バチカン市国「ほ、本当ですか?あ、でも今は少しのお客さんが・・・」
日帝「私の事は気にしなくていい。その人を優先してやっくれ。」
MOB『え!そ、そんな・・・』
日帝「大丈夫だ。私だって立派な一人の女だからな」
バチカン市国「分かりました。お気遣いありがとうございます。」
MOB『迷惑かけてすいません・・・。』
日帝「気にするな。私は少し外を見てくる。」
キィ・・・バタン(扉を開閉する)
日帝「すーーーーっ・・・・・・はーーーっ」
西欧の町並みや空気は日本と大きな違いがある。街の人々の賑やかな話し声や、その土地の虫や鳥のさえずりでさえとても珍しく感じるほどだ。
日帝「西欧諸国も悪くないな・・・。」
ポロン・・・♪
日帝「?何の音だ?」
弦楽器・・・?いや、琴や三味線じゃない。西欧弦楽器だから、バイオリン?いいや、バイオリンも違うだろう。この音は儚げで悲しそうな音だ。
日帝「(誰かいるのか・・・?)」
好奇心に背中を押され、その音の発生源に向かって行った。
日帝「こんな森から・・・?」
沢山の木々がある森の中に足を踏み入れる。この森にはあまり動物もいなかった。昔、幼い頃に走り回った近所の雑木林を思い出す。
日帝「(ふふっ、たまには童心にかえろうかな)」
音の場所めがけて、走り回った。木の上を、花の中を、ひたすらに走った。まるで幼い少女みたいに
日帝「あははっ!ほんっとに楽しいな!ここ!」
私の頬を撫でる風にすら心地よさを感じる。初めてくる筈なのに、どこかしら懐かしいと思って、この場所に夢中になっていた。あの、大日本帝国が一人の少女になった。
ポンロロロンポンロンロン・・・♪
音が大きくなる。
日帝「・・・」
悲しそうな音だった。まるで何かに囚われてるみたいだった。
日帝「え・・・・・・、これは・・・、」
そこには
祠があった。
日帝「こんなところに・・・?だれが建てたんだ?」
この中に人が?しかも演奏している?明らかにおかしい事だろう。
日帝「だが・・・、祠にしては大きいな」
確かに人一人は入れそうだし、楽器も大きさによっては入りそうだ。
日帝「入れるな・・・・・・」
ガチャ・・・(扉を開ける)
蒼く輝く宝石、驚くほど活き活きしている木々、そして、真ん中に台座があった。
日帝「・・・なんだ・・・これ」
神聖・・・よりかは神秘的だった。心が浄化されるようで、妙に落ち着いた。
日帝「・・・台座から、音色が?」
間違いない、台座から音色が流れている。でも、こんな台座に楽器が入るのか?小さめの楽器なのか?いや、弦楽器だぞ。小さいのか?
日帝「・・・触ってみるか」
トンッとその台座に触れてみた。金属みたいに妙に冷たい台座だった。でも触り心地は金属とは少し違う。よくわからない物質だ。
日帝「!?!?はっ!?」
台座が、謎の光を発した。光が糸のような形になり、私を包み込む。不思議と不快感は無かった。足から頭の先まで光に包まれているのに全く眩しくない、おまけに祠も動いている気がする。
日帝「(まずいっ・・・!ここは危ないところだっ!)」
脳が危険性を理解し、体に伝えたときにはもう遅かった。体が動かない、無理矢理押し付けられてるんじゃなくて、力が出せない。
日帝「う・・・・・・あっ・・・」
前も見えなくなってきた・・・。死ぬのか・・・?ここで・・・・・・。
日帝「に・・・・・・ほん、にゃ・・・ぽ・・・ん.」
ごめ・・・・・・んなさ・・・・・・
バタッ・・・