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「まろ……来て……」
グイッ
「な、ないこ?!急に引っ張るなや!びっくりしたやん!どこ行くん?」
ピタッ
「ないこ…?……ここって屋上?」
ないこに急に引っ張られ着いた場所は、立ち入り禁止のはずの屋上だ。
「ないこ…。ここ立ち入り禁止やで?ないこも知ってるやろ?」
ないこに問いかける。でも返答は、無く、時間が虚しくすぎてゆく。
「まろ…」
ないこは、泣いている。笑いながら。でも俺の顔は、見る気がないようでつま先を見つめている。
「フゥ……まろ…今まで……ありがとうニコッ」
頭が追いつかない。今までありがとう?意味が分からない………。いや、分かるがその意味を本当にしたくないのだ。頭の中で必死に違う意味を考えるが、浮かばない。「今まで」と言った時点で答えはひとつしかないのだ。
「今まで……って事は、この世から消えるん…?」
恐る恐る聞く。ないこは、ニコッと笑って、首を縦に振る。首を縦に振るという事は、肯定を意味する。
「ごめんねぇ……まろ…俺…もう無理かも(笑)」
なんで俺にそうやって謝ってくれるのだろう?君が……苦しんでたのは、知っていた。でも俺には、何も出来なかった。
「俺に止める権利は、無いかもしれんけど…タヒなないでや。」
「ん〜。それは、無理かなニコッもう決めた事だから。」
俺の心が空っぽになった時も相談に乗ってくれたのは、ないこだった。
「まろ…をここに呼んだのは、ね。俺の遺言をまろに託すため…。」
「俺でいいん?」
「うん。まろがいい。」
「この手紙……。渡して…」
「俺の遺言状……。まろに託したニコッよろしくね…。」
「俺…大役やな。」
「うん。そうだね。まろ…?今までありがとうね。ギュッあまり早くこっち来ちゃダメだよ?」
「俺より早く逝くないこには、言われたくないわ(笑)」
「…確かにね。ありがとう…。ばいばいニッコリ」
「……じゃあな…」
グシャッ
「ッ……」
あ〜タヒんで欲しくなかったわ…。ないこ大好きだったで。
4日後には、ないこの机の上には、ピンク色のオオデマリが華やかに飾られていた。
オオデマリの花言葉は、「華やかな恋」「約束を守って」「天国」という意味があるよ。
コメント
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あぁ!?ないちゃーん!?てかストーリー神過ぎんか?